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イラク派兵違憲判決報告会 in 高岡

イラク派兵違憲判決報告会 in 高岡_c0068917_1162685.jpg

 9月7日(日)の午後、高岡市内で、名古屋高裁で出された自衛隊イラク派遣差し止め訴訟における判決の報告学習会が行われた。
イラク派兵違憲判決報告会 in 高岡_c0068917_11112086.jpg 名古屋高裁においても証拠として上映された、イラク戦争のドキュメントDVDの上映にはじまり(写真上)、判決要旨を逐一読みながら、参加者と講師がいっしょにこの画期的な判決の内容を確かめていった(写真左)。

 訴訟団からは講師として魚住昭三弁護士が来てくれた。(全国どこへでも交通費などの実費だけで講師を派遣してくれるので、関心のあるかたは是非訴訟の会に連絡されたし。)
 参加者は会場いっぱいの120名ほど。この種の硬い集会としては盛況だった。これまでもこのブログでなんどか取り上げたので判決そのものはいまは措くとして、この集会が意外性に富んだ人の出会い(再会)をもたらしたものであったことを書いておこう。
イラク派兵違憲判決報告会 in 高岡_c0068917_1117115.jpg 講師の魚住弁護士は、デイパックを背負ってジーンズに洗いざらしのワイシャツ姿。はやばやと聴衆が来たのかとスタッフが勘違いするほどの「意外性」で登場。
 
 私は挨拶もそこそこに準備で動き回っていたが、富山市から来た宮崎さゆりさんと魚住氏とが親しげに言葉を交わしているのが目に止まって、旧知かと尋ねると、なんと、双方のアメリカ・ワシントンDC時代の知り合いだという! もちろん、帰国後には音信がなかったらしく、お互いに「なんでこんなところで・・・」と言い交わしたとか。
 宮崎さん(先般の9条世界会議富山報告会で通訳をしてくれた)は、富山出身だが画家であるお連れ合いとともにアメリカ暮らしが長く、彼の地の平和・環境保護の市民運動にも深く関わってきた人。
 一方、魚住弁護士はといえば、元来は環境問題などが守備範囲の法律家なのだが、国際法を学ぶためにアメリカの大学に留学していたという。
 アメリカで提訴されたジュゴン裁判(米軍基地の辺野古移転にかんして)の準備調査の手伝いをしていた宮崎さんが担当弁護士から魚住弁護士の紹介を受けたのが出会いの始まりだったらしく、自宅に招いておでんを囲んだりしたという。
 そんな二人が、数年を隔てて富山県高岡市でばったり再会するとは・・・。「世界は狭い」。
 私自身も久しぶりで旧知の人に会ったり、遠方から意外な人が来てくれていて、何で知ったかと聞くと、「ブログで」と嬉しい返答。ブログがメディアとして機能していることを確認したことだった。

 この報告会は11月には富山市でも開かれるが、なぜ高岡市で開きたかったのかは、会場で配布した資料の一部に以下のような文章を載せたことに尽きる。文中にあるようにその裏面には福島重雄弁護士(元札幌地裁判事)の筆になる記事も掲載した。
                    *
      自衛隊イラク派兵違憲判決報告会を高岡で開く理由

 本年、4月17日、名古屋高裁において、イラクへの自衛隊派遣は憲法9条に違反するという、画期的な判決が出されました。

 裁判所は、「政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲とした場合」であったとしても、空自がイラクで行っている空輸活動は、特措法にも憲法にも違反すると明快に判断をくだしました。また、原告団が様々な角度から主張し訴えた「平和的生存権」にかんしても、たんなる抽象的理念としてだけではなく、具体的権利性を認めるという点で画期的なものでもあります。

 訴訟団は、確定したこの判決の内容とその意義を多くの人に知ってもらい、司法の力を政治的・社会的な力にして、一刻も早いイラクからの自衛隊の撤退を政府に迫るべく、全国に訴訟団弁護士を講師として派遣して報告会を開いています。富山県内にも何人かの原告がおり、関心を持つもので報告会の開催が検討されました。

 この名古屋高裁の判決を下した青山邦夫裁判長は、じつは高岡市の出身(高岡高校14期→東大法学部)であり、またご尊父=青山三雄師は、市内の正徳寺住職を務められるかたわら、長く呉西・高岡地区の平和運動・原水禁運動・護憲運動において中心的に活動をしてこられた人で、関係者の間では知らぬ人のない方です。

 こうした因縁を思えば、富山県での報告会はまず高岡市から始めるべきであろうということで、有志が集って今回の催しとなりました。

 また、この青山判決に先立つ憲法9条判断としては、1973年の長沼ナイキ裁判における「自衛隊は憲法第9条が禁ずる陸海空軍に該当し違憲である」という判決が有名です。この判決を出された札幌地裁の福島重雄裁判長(当時)もまた富山県の出身です。(氏は現在、富山市で弁護士事務所を開設しておられ、今回の判決に関して、裏面のような文章を発表しています。)

 このように憲法9条にかんして画期的な意義をもつ二つの判決が富山県出身の裁判官によってだされているということは、奇しき偶然ではありましょうが、われわれにとって誇らしく感じるところでもあります。


          自衛隊イラク派兵違憲判決報告を高岡で聞く会



<裏面>
イラク派兵違憲判決報告会 in 高岡_c0068917_11203361.jpg

2008年5月1日付け朝日新聞
by sumiyakist | 2008-09-10 11:26 | 憲法・教育基本法

山で暮らしながら下界に関わる日々


by sumiyakist
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