役人の役人による役人のための

 もはや天下周知の事実であって、いまさら事新しく述べることではないかも知れないが、そうであったとしても、わが国の行政の本質が「役人の役人による役人のための行政」であることを確認してかからないと「この国のかたち」を論じることができない。
 政治家を「先生」と持ち上げ、地元利益とわずかばかりの個別利益をエサにして手なづけて、操り人形や弾丸よけとして使い、有識者や住民を取り込んで「審議会」という隠れ蓑として使う。あらゆる制度・政策は、「国民のため、住民のため」を名分とはするが、必ず役人の自己保存の仕掛けが隠されている。特殊法人や財団の旧悪は各方面から言い尽くされているが、依然として健在である。
 上は高級官僚の「渡り鳥」制度からに、下は地方官吏の共済制度まで、役人は自分たちの使いやすいように「この国のかたち」を作りあげてきた。
 厚生年金や国民年金は、加入者にとっては生活設計のプログラムであるかもしれないが、役人にとっての意味は、国民に掛け金(賭け金)と総受給金額とによって総員参加の賭博をさせることにある。せっかく掛(賭)けた金を殆ど取り返さずに早々と死んでゆくゲーマーもいるし、そこそこ儲ける受け取る人も出てくる。そのマクロ計算は年金数理に合わせて制度を手直しすればいい(そこに政治家の使い途がある)。
 その結果がどうであれ、役人たちは、年金会計という賭場を仕切って寺銭を巻き上げて自分らの自由に使うことが出来る金を生み出すことができる。わが国の年金制度が賦課方式だというのに異常に多い積立金を抱えているのはそのせいである。積立金140兆円の4割が既に腐ってしまっているといわれているが。
 大化改新から古代・中世・近世・近現代を通じて、わが国の官僚・官員・吏員制度に通底してきたものが、第二次大戦後に至ってもなお、「国民主権」とは表面のことであって、「役人主権」であり続けたのではないか。
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by sumiyakist | 2005-11-02 22:53 | 地方自治

山で暮らしながら下界に関わる日々


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