地方自治法改悪(続)

 平成14年に地方自治法の住民訴訟に関する部分が大改悪された理由は、ひとことで言えば、自治体首長が住民訴訟の矢面に立たされて怖じ気づいたからである。
 首長や幹部職員個人を被告にして損害賠償請求が出される。弁護士を雇うのに公金を使うことができない。負ければもしかすると自腹を切って賠償しなければならない。(裁判に自治体も参加させれば同じ弁護士に依頼することで公費負担をさせる手もあるらしいが。)
 そこで、全国市長会や町村町会などの団体は「自治体の首長や職員が住民訴訟の被告となるおそれから行政が萎縮する」といって盛んに「改正」を働きかけた。
 また、改悪前の仕組みだと、違法な支払いを受けた第三者(知事退職金問題でいうと中沖前知事)も損害賠償請求裁判の被告にすることができる。一般的には違法な公費の支払いを受けた企業(公共事業の談合企業など)である。こういうスジからも「改正」圧力がかかったであろう。
 情報公開や住民参加といった「参加の民主主義」の芽が育ちつつある、あるいはもっと育てねばならない時期であったにも拘わらず、この大改悪によって、住民が自治体に代わって(代位して)直接に損害の賠償請求をすることができるという貴重な制度はあっさり廃止されてしまったのである。
 自治省(総務省)の唱える「地方自治」がどの程度のものかを如実に示す事件であった。
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by sumiyakist | 2005-09-15 13:31 | 知事退職金

山で暮らしながら下界に関わる日々


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