「法律的」と「政治的」の違い

 地方自治法は第204条で、
「給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。」(1項の3)「普通地方公共団体は、いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基く条例に基かずには、これを(中略)職員に支給することができない。」(2項)
としている。
 ところが、富山県職員退職手当条例には、特別職についての規定はなく、その第15条に「知事、副知事及び出納長の在職期間に対する退職手当の額は、この条例の規定にかかわらず、議会で議決する額とすることができる」とあるだけである。
 すなわち、特別職の退職金の金額並びに支払方法について明示的規定をせずに、議会に白紙委任するようなこの第15条の規定そのものが地方自治法に違反している。(今年の6月になって特別職の退職手当支給条例ができてこの違法状態は解消した。)
 したがって、特別職としての退職金235,000,000円には支払う根拠がなく、本来支払うべきは一般職として計算した44,859,750円だとすると、その差額190,140,250円については不当な支出にあたるので、県は前知事に対して返還を求めるべきである。
 これがわれわれの監査請求の趣旨である。
 ただ単に退職金が高すぎる(実際、県民感情からいえばそうでもあるが)から引き下げろ、といっているわけではない。もしも、条例が整っていたならどんなに高額であっても法律的には有効である(注)。住民としては、条例改正をさせるとか、首長のリコールをするとかといった、「政治的」な方法に訴えるしかない。
 しかし、中沖前知事の退職金の場合は、上に見たように、明らかに法律的に瑕疵(キズ)があるのである。住民監査請求に対する回答は60日以内に監査委員から示されることになっている。その回答に不満ならば住民訴訟という裁判を起こすこともできるのである。

(注)富山市では森雅志市長が合併に伴って、3年3ヶ月の在職期間でいったん退職。3千万円近くの退職金を手にした(合併後の選挙で当選し復活)。市民派議員・志麻愛子氏の富山市議会での反対討論要旨は下記にある(ページの最下段)。

2005年9月議会の一般質問と答弁
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by sumiyakist | 2005-07-16 17:01 | 知事退職金

山で暮らしながら下界に関わる日々


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