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ナラ枯れ・その後

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 時雨(しぐれ)というにはいささか激しい雷雨混じりの悪天候が続いたあと、11月13日、14日と、小春日の晴天が訪れる。山仕事が出来る日数は、もうあまりないだろう。山に置いた道具類もそろそろ撤収しなければならない。木々は日に日に色合いを変えてゆくが、例年に比べれば紅葉は遅れているようだ。
 夏には山の斜面の濃い緑の中で目立った ナラ枯れの木も、色とりどりの秋の山ではほとんど見分けがつかないほど埋没している。上の写真は同じマツオの尾根の最近の写真(11月14日)である。ナラは条件が良ければオレンジ色に黄葉するが、枯れたナラはいまでもずっと茶色の葉をつけている。来年の春にはもう新芽を出すことはないから、枯れ木であることが歴然とするはずだ。手前は刈り取った後のソバ畑。
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 もう少し低い側の様子。手前は我が家のタマネギとキャベツの苗。
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 いま、炭材を伐り出している山からもマツオの尾根を遠望することができる。中央の長い尾根がそれである。右下の隅に、玉切りした原木を一輪車で運んでいるうちに出来た小径が写っている。(この端まで運んで10メートルほど下の林道へ落とし、トラックに積んでカマへ運ぶ。)
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 ナラ枯れを気にしているせいか、ある程度太い(30〜40年生)ナラを切り倒すとナラ菌の繁殖と思われる年輪の黒い汚れのようなものが目につくことが多くなった。 ひどい場合には、数日たつとタールが沁みだしたような黒い帯が現れる場合がある。これがナラ菌と確認したわけではないが、以前にはなかった、ナラ枯れがいわれ出して目立つようになった最近の現象である。
 ナラ菌を持ち込むといわれているカシナガが潜入した結果と思われる木くず(フロス)もよく見かけるようになった。
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by sumiyakist | 2007-11-15 21:50 | 自然と暮らし

メカニズムと環境因

 このナラの枯死問題(ナラ枯れ)については、ネット上でもいろいろな報告が出されているが、最新のものとして、これまでの研究成果や対応策を集約したようなパンフレットが出されている。森林総合研究所関西支所のHPからPDFファイルでダウンロードできる。ご関心の向きには参照いただきたい。
 それらによると、ナラ枯れのメカニズムほぼ解明されているようで、カシノナガキクイムシ(カシナガ)という小さな甲虫が媒介するある種の菌類(ナラ菌という仮称で呼んでいる人もいる)がナラの中で繁殖して樹木の水の通路である導管を塞いでしまうことによって、蒸散作用の活発な夏に急激に枯れてしまうということであるらしい。
 このメカニズムはかつて大きな問題となった松枯れと似ていないだろうか? 各地の松林が次々と立ち枯れて行ったことがあった。その原因がマツクイムシだとされて、大々的な殺虫剤の空中散布が行われたことがあった。しかしながら厳密にはマツクイムシという虫は存在せず、マツノザイセンチュウという線虫が木質部で繁殖して導管を塞いでしまうために立ち枯れするということであり、また、この線虫を媒介する昆虫としてマツノマダラカミキリが特定されていた。
 昆虫と菌類(線虫)のペアが原因。従って、対策はこの両者ないし一方を退治すればいい。対症療法としてはそうなる。ただし、カシナガもナラ菌もほとんど木の内部に留まっているので薬剤散布による駆除はなかなか難しい。ドリルで穴を開けて薬剤を注入するという方法が試みられているようだ。

 さて上のように、直接的な原因はカシナガとナラ菌によるものだとしても、なぜいま急に被害が広がったのかという原因(遠因・環境因)はなんだろうか?
 先の地元新聞のキャンペーンでは、気候の温暖化によってカシナガの生息範囲が広がってきた(北上してきた)としていたと記憶するが、全国規模では被害は南から北へ広がっているわけではなく、分布からすると、日本海側に多発しているという捉えかたの方が正確であろう。そうすると、先の宮下正次氏の酸性雪説のほうが説得力がある。
 日本海側(=積雪地帯)の酸性雪によって衰弱し抵抗力が低下しているナラ類(とりわけミズナラ)にカシナガが潜入しナラ菌を繁殖させ、急激に立ち枯れさせる。それが最近のナラ枯れ現象の背後にある環境因なのではないだろうか。
 
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by sumiyakist | 2007-08-25 09:23 | 自然と暮らし