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炭焼き三昧

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 秋晴れの晴天が続いている。今週はなにも予定を入れずに炭焼き作業に没頭している。
 秋は炭焼きさんの最繁忙期である。カマから出した炭をノコで切って箱詰めをしながら、カマの番をしているところである。カマは火を入れて4日目。2日目まではカマの口で燃材を投入してせっせと燃やしていたのであるが、いまはもうカマの中の温度が十分上がったので、自発炭化が進行中なのである。ときどき煙突の煙の温度を確認してやるだけでいい。(160℃になったら木酢の採取を止める)。
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 小屋の側には次の原木が用意してある。(これではまだひとカマには足りないが。)ついでに炭焼きさんの三種の神器ともいうべきトラック、運搬機、チェーンソーを並べてみた。
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by sumiyakist | 2008-10-18 17:47 | 自然と暮らし

アメリカの市民運動

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 高岡駅前の公共施設「ウイング・ウイング高岡」の中にある高岡市男女平等推進センターで、毎年恒例になっている催し「Eフェスタ」が開かれている。先日アップした
「まちの福祉しらべ隊」のワークショップもそのひとつであった。2週間にわたって、男女平等はもちろん、平和・福祉・子育て・政治・教育など、さまざまな分野の市民グループが展示やワークショップを行っている。
 10月10日(数年前までは「体育の日」として休日になっていたが、今年は金曜日。それでも晴れの特異日は変わらない)には、<グループequality>が主催する「市民活動のスタイル」というワークショップが開かれた。講演者は富山市の出身だが、沖縄や京都、そしてアメリカ(ワシントンDC)と移り住んで、それぞれの土地で環境や反戦平和の市民運動に関わりを持ってきた宮崎さゆりさん(上の写真の右側。彼女はこのブログでも何度か登場している)。
 主催者の中心メンバーである斎藤正美(写真の左)さんも古くからの知り合いであるし、他のメンバーもたいていは顔見知りである。  
 宮崎さんの話はプロジェクターを使った分かりやすいものだった。沖縄での嘉手納基地を取り囲んだ第一回の人間の鎖行動の話では、前夜来の豪雨があって、成立が危ぶまれたことが逆に参加を促すことになって成功したことや、アマミノクロウサギなどの野生動物を原告にした環境保護裁判のこと、ワシントンDCのホワイトハウス前でのさまざまな平和・反核の行動などを紹介しながら、市民運動に対する原理的な考察を語っていった。
 思えば、われわれは(追い込まれてやむを得ず、たいていはシングルイッシューの)、なんらかの運動を立ち上げて、その進め方などを必死になって考えている場合が多いのであって、市民運動一般を改まって考えてみることはあまりなかった。そういう点では、いわば「市民運動原論」のようなメタレベルの視点を開かれて有意義であった。
 宮崎さんは、アメリカでの市民運動の現状や方法論について語ることが多かったのであるが、印象に残ったのは、日本の運動がリーダーをトップに頂くピラミッド型であるのに対して、アメリカのそれはいくつかの委員会などによって構成される車輪構造(輻)モデルで表されることや、デモや座り込みはもちろん、時としては法律に違反するような直接行動によって逮捕されることは、むしろ英雄的行動と捉えられていることなどである。
 なににしても、彼女が故郷の富山へ帰ってきて、市民運動に新しい刺激を与えてくれつつあるのは喜ばしいことだ。
 
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by sumiyakist | 2008-10-11 23:07 | 地方自治

改めてカドミウム米

 今日7日の午前中、炭焼き小屋で炭出しをしながらラジオで国会中継を聞いていた。事故米がなぜ食用として流通したのかと追及する民主党の筒井信隆氏らの質問に対して、石破農水相が答弁していた中に、「カドミウム米は着色していた(だから問題は発生していない)が、事故米の方は(コストがかかるので)着色をしてこなかった」という趣旨の発言が、2〜3度繰り返された。新聞報道でも、事故米は着色していなかったが、カドミウム米は着色しているものと報じられているから、同じソースから出ているのだろう。 例えば日経新聞ウエブ版は次のように報じている。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以下転載〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     事故米、コスト抑制で着色せず 農水省、不正転売の横行招く(見出し)
 カビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」の不正転売問題で、食用への転用を防ぐ事故米の着色加工を、農林水産省がコストを抑える目的から実施を見送っていたことが19日、分かった。2006年に輸入米の残留農薬基準が設定された後も安全対策を軽視したことで、流通過程での事故米判別が困難な状況となり、結果的に不正転売の横行を許すことになった。
 食用に適さない米の転用防止として、農水省はカドミウムが含まれた米は赤く染めている。1970年以降、0.4PPM以上、1.0PPM未満のカドミウムが含まれたコメについて、工業用のりなどに加工することを条件に販売。最近5年でも年間1200—2400トン程度のカドミウム米が発生しているが、すべて着色されている。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜転載終わり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  しかし、本当に「カドミウム米はすべて着色されている」のか? 疑えば疑うことが出来るのである。以前の朝日の記事の見出しに「性善説前提うんぬん」とあったが、コメ流通業者(や監督の役人)は悪いことをしないという性善説に立って考えれば、集荷されたカドミウム米は砕米にされベンガラで着色されて工業原料になって糊業者に卸されていたということになるだろう。しかし、これまでの歴史からしてこの業界はそんなに甘い業界ではない。百鬼夜行の世界とも言うべきであるというのが私の印象である。まず、商人が必ずしも性善でないのは当然として、監督すべき農水省の役人も、それをまた見張るべき政治家も、主要な3者がそろって危ない存在だからだ。(ルートの両端に位置する農家と消費者はこれら3者に比べると圧倒的に「性善」である。)
 かつて川崎磯信氏は、米流通の監督を(いまはなき)食糧庁でなく警察庁に移管すべきだと主張していた(笑)ことがあるが、じっさい、性善説に立つよりも、「人を見たら泥棒と思え」原理によって行動する警察人の方がコメ管理には向いている。
 何が言いたいのかといえば、コメのすり替えや転用などが(監督官庁黙認下で!)日常茶飯事の業界で、砕米・着色がルール通りに行われている保証は何もないということである。
 カドミウム米といえども、刈り取って脱穀・袋詰めするまでは他のコメと同じで、最終的には30キロ入りの紙袋に玄米で入れられるが、ただ違いは結び目に紫色の荷札が付いているだけであることは前に書いた。それが農協によって集荷されて加工業者の工場へ運ばれて砕米・着色されるのであるが、その経路で他の品質の悪い安いコメ(クズ米とかいま問題になっている事故米・汚染米)にすり替えたり代用したりすることはいくらでも出来るのである。つまり、安いコメを買い入れて、それを砕米・着色米にして工業用に回し、その分のカドミウム米を食用に転用することは訳ないのである。
 質問した筒井議員も答えた石破農水相も、カドミウム米が砕かれ着色される現場の仕組みを確認した上で、適正に処理されていると判断しているようには思えない。にもかかわらず、そのことを前提にして質疑をしているのを聞いて、所詮は「知らぬがホトケ」の絵空事の国会審議であることよと感じた次第だ。

毎日新聞の記事を以下に転載しておこう。これをどう読むか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以下転載〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事故米食用転売:「すべて工業用に加工、販売」沼田製粉、農水省の点検で /富山
 ◇小矢部

 「三笠フーズ」(大阪市)の事故米転売問題で、農林水産省は、国から事故米を購入した沼田製粉(小矢部市津沢)など全国16社の緊急点検を始めた。同社の砂田幸信副社長は「事故米はすべて工業用に加工、販売した。三笠フーズとの取引もなく、同一視されるのは迷惑だ」と語った。

 同社は天保元(1830)年創業。製粉・製めん、飼料製造のほか、工業用接着剤の製造も行っている。約35年前から、国が発注するカドミウム汚染米の加工を請け負ったことがきっかけで、でんぷんを接着・コーティング用の「粘結材」に加工する技術を開発。特許も取得している。

 同社によると、販売用接着剤の原料は、従来、ライ麦を使用していた。穀物価格の高騰を受け、農水省が入札を行っていた事故米に着目。昨年1月に初めて入札に参加し、同年夏ごろまでに3回計約500トンを落札した。特許技術を用いて加工し、県外の金属メーカーにすべて販売した。

 カドミウム汚染米加工の際は、北陸農政局職員が立ち会い、帳簿もチェックする。事故米加工の際、タンクはカドミウム汚染米とは別だが、加工機械は同一のため、あらかじめ同農政局に相談。カドミウム汚染米と合わせて、事故米の帳簿の点検も受けたという。事故米の入札価格が高騰し、今春以降は入札に参加していない。

 砂田副社長は「粘結材も、間接的にでも人が口にする製品に使われないか厳しくチェックして取引している。農水省もすぐ理解してくれるだろう」と話していた。【江田将宏】

毎日新聞 2008年9月9日 地方版
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜転載終わり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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by sumiyakist | 2008-10-07 23:44 | マスメディア

ゴジカラ村ってな〜に?

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 10月4日(土)の午後、 愛知県長久手町のゴジカラ村から「村長」の吉田一平氏を招いて、私もメンバーの一人であるところの「まちの福祉しらべ隊」が主催する講演とシンポジウムが高岡駅前のウイングウイングで開かれた。
「ゴジカラ村」というのは、幼稚園2園のほか、デイサービス・特養・グループホーム・ケアハウスなどの高齢者福祉施設、訪問介護・訪問看護などの事業から、看護師・介護士養成の専門学校、宿泊施設などを運営する福祉の総合商社ともいうべき存在である。「もりのようちえん」「ぼちぼち長屋」「ほどほど横丁」などの施設の名称がそれぞれ吉田氏の思想を表していておもしろい。
 「しらべ隊」のメンバーがこの春に見学に出かけて、森の中に点在する木造の施設群を実見し、吉田氏にその経営方針などを聞いたことがあった(私は参加できなかったが)。
c0068917_20211468.jpg 吉田氏は、30数年前、務めていた商社を辞めて、開発で失われてゆく森を守る方法として幼稚園を開設し、次第に老人ホームなどの福祉事業に関わることになった経緯を話した。(氏のお父さんは以前、長久手町の町長をなさっていたというが、もともと農地や山林を所有している大きな農家であったらしい。これは私の推測)
 氏は、用意してこられたパワーポイントの映像などお構いなしに、これまでの事業の概略や運営の理念などを次々と語る。ちなみに、氏は「パソコンはやらない」のだそうだ。資料映像はたぶん、講演用にスタッフが作ったものなのだろう。

 雑木の山を残す方策を考えたことから氏の事業がスタートしたことが象徴するように、氏の愛する言葉は「雑」であり「混ざる」である。そして「ほどほど」「いいかげん」である。目指すべきは「時間に追われない生活」である。
 近代システムの、効率的な、企業的な方法論とは対極的な考えであるが、ある自動車メーカーの研究開発部門が、30年後の暮らしのテーマを模索していて「ゴジカラ村」に行き当たり、注目されたことがあることなども話していた。

 雑木林の中の木造の施設(古民家を移築したものもある)だから、ムカデも出るしスズメバチも来る。それが自然というものだ。いいとこ取りはできないし思うようにはならない。子どももまた「自然」である。親の思うようにはならない。
 幼稚園には暖房も冷房もないのだという。(カリキュラムもないし、行事もほどんどない。ひたすら遊ぶだけだという。年齢で分けず3歳から5歳まで「混合」。)それなのに入園申し込みには行列が出来るという。
 介護施設も行政の作った制約などお構いなしにどんどん越えてゆく。寝たきりのお年寄りが1階に住む上に単身の女性宿舎(アパート)を作る。女性入居者にはお手当が出る。介護付きの宿泊施設で要介護の親などの大切な人とゆっくり泊まりがけで出かけてみたい人のための宿屋(ホテル)もある。
 ケアハウス(元気な高齢者向きの賄い付きアパート)にはフグ料理屋を「誘致」しているから食事は美味しいという評判である。全ての施設には(幼稚園にも!)露天風呂と生ビールサーバーが設置されている。
 建物は全て木造であるのは当然であるが、生えている樹木を切らないで建設するために、屋根の一部を切り欠いたりしてある。などなど、いわば、常識を破ったことが多い。
 すべては吉田一平氏の考え方によるのである。当然、がんじがらめの行政システムとは衝突する。何度も役所と折衝し説得したり、抜け道を考え、誤魔化す方法を探す。事業主体も学校法人、社会福祉法人、株式会社、NPO法人と、多彩になっているのは行政の制約条件を回避するためでもある。
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 講演のあと、さらにゴジカラ村の理解を深めようということでシンポジウム形式で質疑など行った。NPO法人・親と教員の会が運営する(敢えて認可をとらない無認可の幼稚園)「こどものその」の理事である吉井佐代美さん、やはりNPOで富山型デイサービス施設「ひらすま」を経営している佐伯知華子さん、しらべ隊隊員で現地を訪れたことのある伊藤冴子さんの3人がシンポジストとしてそれぞれの関心分野から発言し、会場からも意見が出されて、吉田氏との応答があるなど、盛況であった。(私がコーディネーターを務めた。)
 ただ、ゴジカラ村は、ハード・ソフトとも常識的な仕組みを越えたところがあるから、実際を見ないと本当のところはよく分からないし、それでなくても社会福祉事業は厳しい時代であるから、問題は山積のようであるが、制度に合わせて事業を行うのでなく、あるべき人の暮らし方から事業のあり方を考え、制度を変えて(時に無視して、換骨奪胎して、ごまかして)ゆこうとする吉田氏に大いに啓発された参加者が多かったと思う。
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c0068917_20335177.jpg 夕食の交流会のあと、吉田氏を案内して高岡市の新しいイベント「万葉朗唱の会」をスタッフや参加者と一緒に見物してもらった。この催しは、万葉集全20巻4516首の歌のすべてを、リレー方式で歌い継ぐ。連続三昼夜にわたり全国から2000人を超える人々が朗唱する。
 会場は古城公園のお堀に設けられた特設舞台である。今年で19回目だというが、私も初めて観覧した。


c0068917_20344097.jpg 舞台で朗唱するにはあらかじめ申し込んでおかねばならないが、装束を付けるだけならその場で申し出れば着させてくれる。吉田一平さんをはじめ、同行の我々も何人かは万葉時代の衣装を付けて記念撮影。
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by sumiyakist | 2008-10-05 20:47 | 自然と暮らし

大恐慌よ来たれ!?

 アメリカ政府・議会が共同して金融機関を救済しようとした7000億ドル(75兆円!)の公費支出議案(金融安定化法案)が、有権者の猛反発を受けて下院議員が反対せざるを得なくなったたために成立しなかった。そのおかげで大恐慌が再来するかもしれないという。
「金融システムをまもる」とか、「日本発の金融恐慌を起こさない」とかいいくるめられ、マスコミを動員した世論づくりが行われて金融機関に公費を投入した日本とは違って、アメリカにはまだ民主主義が生きているということなのか。
 「何十億円という報酬や配当を受け取っていた金融・証券の経営者・出資者の失策を俺たちの税金で救済することは許さない」という民衆の意思表示が議会を通じて明らかになった。失うものはないという民衆の目覚めというべきか。
 「金融工学」という言葉がいつ頃から市民権を得たのだろうか。英語でいえば、ファイナンシャルテクノロジーいうのか、あるいはファイナンシャルエンジニアリングというのか、いやもしかして、そんな英語はないのか。私は知らないし、詮索する気もないが、そういう手法そのものはアメリカ発であることは間違いないだろう。
c0068917_20591774.jpg そんなことを考えると思い出す場面がある。5,6年前のことだ(*)。ベアテ・シロタ・ゴードンさんを迎えて富山市内で開かれた講演会でのこと。日本国憲法に男女平等条項などを書いた女性のことは知っていたが、ナマで見聞きするのは初めてだった。(写真は東京新聞のウエブサイトから無断借用)
 講演では、ベアテさんはもちろん、GHQ民政局勤務当時の「憲法制定秘話」とも言うべき話をされた。しかし、私が強く印象づけられたのは、現代アメリカ社会の風潮について、顔の前で両手をすり合わせて拝むしぐさをながら「アメリカではお金が神様仏様なのです」と述べたことである。しかも、講演の中とその後の質疑応答の際と、2度も繰り返したのでとりわけ強く印象づけられたのだと思う。
 それに関連して、アメリカの大学生は卒業すると競って金融機関、株式・投資会社に就職したがるということを批判的に述べていた。アメリカ合衆国は国をあげて金融国家を越えて「拝金国家」になっていることを苦々しい思いをこめて話していたのだと思う。
 そういえば、クリントン前大統領のひとり娘(名前は失念した)は投資ファンド会社に就職しているそうだが、まさしく金融国家=寄生国家・アメリカを象徴している。(わが国で、政治家の子どもたちが親の秘書になりその地盤を継いで2世政治家になるのとどちらが上等か俄に決しがたいが。)
「金融商品」という言葉は、実は「商品」の自己否定だと思うが、なんの疑問もなく大手を振ってまかり通っている。まっとうな資本主義を再建するために「世界大恐慌よ来たれ!」と言うべきなのだろうか。

*追記 友人に確かめたら1999年5月21日だった。年の経つのは早いもんだ。
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by sumiyakist | 2008-10-01 21:04 | 自然と暮らし