<   2008年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧

世論調査か世論誘導か

c0068917_7561327.jpg


 写真は朝日新聞の切り抜きである。
 社会保障制度にかんする世論調査の結果をまとめた記事の一部だ。取り立てて注目するほどのことはなにもないが、読んでいてカチンと来たことがあったので、投書欄に宛てて以下のようなメールを送った。(もちろん、採用されていないし、期待もしなかったが)。
                *
 昨日(24日)の紙面に社会保障世論調査の結果が出ていた。その内容は取り立てて新味はない。が、設問そのものがある種の誘導、あるいは問題の隠蔽があるように見える。
 社会保障費の財源にかんして、「少子高齢化が進んで社会保障の財源が足りなくなった場合、どうやって費用をまかなうべきか」との問いに、用意された回答は、税(消費税、所得税・法人税)や保険料の引き上げ、社会保障サービスの削減、の4つしか用意されていない。
 普通に庶民感覚で考えると、防衛費を減らす、公共事業を減らすといった、歳出構造を変える選択肢が一番思いつきやすい。多分そういう回答を用意するとそこに集中しただろうと思う。
 なぜそれを入れないのか、分からないでもない。つまり、国家財政や歳出構造の基本的な知識を弁えない大衆の俗情が一気にそこへ集中してしまうことを恐れるからだ。
 しかし、朝日新聞は政府の広報紙ではないのだから、大衆の「俗情」をこそ尊重すべきではないのか。試しにやってみられることを望む。
                *  
 政府が社会保障費予算を毎年2200億円減額してゆくという「財政規律」だけはかたくなに実行している硬直性は、滑稽でさえある。が、マスメディアが、それを批判もできず、こうして世論調査に名を借りて世論誘導を図るに至っては哀れというべきか。
[PR]
by sumiyakist | 2008-07-27 08:09 | マスメディア

イラク派兵違憲判決報告会

c0068917_8353220.jpg

 名古屋高裁で、自衛隊のイラク派遣に対する違憲訴訟に対して、実質上は原告側の勝訴ともいうべき違憲判決が出されたことはここでも触れた。
 判決文は、イラク派遣の実際の状況と憲法やイラク特措法の条文とを非常に丁寧に照合しつつ、明快に「違憲」を指摘し、また、憲法前文から導き出される「平和的生存権」についても具体的にその権利を認めたもので、そういう意味で画期的なものである。
 訴訟団ではこの判決をひろく一般の人たちにも広めて、司法の力を政治的・社会的な力に拡大してゆこうという方針を採り、弁護団の弁護士を派遣して各地で報告会・学習会を開いている。
 あまり熱心とはいえなかったが、私も原告の一人であったし、県内に私の知る限りでも何人かの原告がいる。先のブログにも書いたとおり、この判決を書いた青山邦夫判事(いまは退官して名城大学法科大学院教授)は高岡市の出身であるから、ここはやはり高岡市での開催を皮切りにしたいところである。何人かと相談して上のような報告会を開催することにした。

 青山元判事(と、これからは書く)の御尊父は、90歳を越えてなお自転車で檀家を回られるという浄土真宗の寺の住職を勤められる一方で、当地の平和運動・反核運動ではシンボル的(というか中心柱的)人物でもあられたらしい。私も集会で1〜2度だが、ご尊顔を拝したことがあった。昨年、100歳で亡くなられたと聞いている。
 そういうわけだから、とりわけ高岡市内には(青山判事のことは知らなくても)、御尊父・青山三雄(かずお)師の影響を受けた人は多いはずだ。そういう人たちの同窓会も兼ねて、この報告会を成功させたいものだ。
[PR]
by sumiyakist | 2008-07-24 09:36 | 憲法・教育基本法

「日本初」ではなかった

 石井知事の施策が「日本初狙いか」と<憶測=かんぐり>を述べたが、調べてみたら残念ながら、「水と緑の森づくり税」という新税を実施した「日本初」は、富山県ではなく2003年4月から実施した高知県であった。続いて岡山県では2004年から。その他、島根県や熊本県などが続き、富山県は昨2007年4月から実施である。税額はいずれも個人については年間500円。
 直接調べたわけではないが、現在では全国19の自治体で導入ないし導入予定という。まあ、早い部類ではあろうが、初ではないので訂正する。

 この税は、広く「森林環境税」ともいうべきものである。森林を整備し、水源確保、治水などの公益的機能を守る費用を住民から広く薄く徴収しようというものであるが、金額が小さいことから、現状ではまだ象徴的な意味合いが強いという評価もあるようだ。
 税の使途としては、森林整備のハード事業(林業分野)から、森林の公益的機能の啓蒙・教育・広報活動などのソフト事業に至るまで広く考えられている。

 少し調べてみたらば富山県では、07年度、税額2億7千万円と寄付金5百万円とを基金に積み立てる方式で事業を行っている。5年間の期限付き。
 事業の内容は3本立てで下のようなものである。
1.里山再生整備事業   8500万円
2.みどりの森再生事業  7500万円
3.人材や情報関連事業
 とやまの森づくりサポートセンター活動推進事業 2800万円
 とやまの森づくり総合情報システム事業 2500万円
 とやまの森づくり普及啓発推進事業300万円
 県産材利用促進事業3400万円
 県民による森づくり提案事業 900万円
[PR]
by sumiyakist | 2008-07-20 21:10 | 地方自治

レジ袋有料化

 さて、石井知事の「日本初」のひとつは「レジ袋有料化」。富山新聞の報道
 今年の4月1日から県内の主要な食品スーパーとクリーニング店ではレジ袋の有料化を実施した。(どういうわけで他の数ある業種の中からクリーニング店のみが共同歩調をとったのかは不明。クリーニング店の場合はビニール袋を断るわけにはいかないだろうから、実際上は10円の一斉値上げということになるだろう。機運に乗じた知恵者が業界にいたということか。)

 買い物のたびに自動的についてくるレジ袋は、環境保護の敵役が割り振られていた。いわく、年間300億枚、石油に換算するとドラム缶何万本といった具合で、なんとなく世の中の無駄の象徴的存在でもあった。
 民間では各地で使わない運動が行われていたり、行政でも杉並区(ここの山田ひろし区長も目立ちたがり首長)などは、条例を作って有料化に踏み切るタイミングを狙っていたようだ。

 環境や資源という大義名分はあるし、流れとしてはいずれ有料化は必至だろうから、どっちみちやるなら「日本初」で実施しようという発想だったのだろう。たいていなら県内マスコミを使ったキャンペーンを先行させて世論づくりをしてから実施するというのが常套的なやり方なのであるが、この問題にかんしては、苦もなくすんなりと一本を取った感じである。

 「環境保護いい子ぶりっこ」たちから目の敵にされているこのレジ袋であるが、本当に無駄で資源浪費的なものなのか、じつは強い反論もある。レジ袋○枚で石油△リットルという換算式そのものがトリックなのである。レジ袋は石油からの生成物のうち不要として廃棄されていたものを原料として作られているのであって、レジ袋の生産を減らしても原油の消費が減るわけではないらしい。(たとえば、武田邦彦著『偽善エコロジー・環境生活が地球を破壊する』幻冬舎新書)
 そういう検証には目を背けて「俗情と結託する」手法を石井知事はとったわけだ。
[PR]
by sumiyakist | 2008-07-15 08:09 | 地方自治

「日本一」から「日本初」へ

 長らく更新をさぼっていたが、久しぶりの更新。

 そもそも、前富山県知事の中沖豊氏の退職金支給についての疑義がこのブログを始めるきっかけになった。6期24年間にわたって県政のトップであり続けた前知事は、(たぶんその求心力を保つためだろうが)なにかにつけて「日本一」を標榜したことはよく知られている。

c0068917_6221472.jpg その後を襲った石井隆一氏(県のホームページに出ている左の写真は若すぎるが)は、どうも「日本初」で求心力を維持することを狙っているように見受けられる。もっとも、高額宿泊費では石原慎太郎氏に遅れをとったが(笑)。

 さてその石井知事、はや1期目の任期が今年秋には終わる。しかし、なにしろ筋金入りの保守王国のことだから、県議会(と北日本新聞<笑>)さえ押さえておけば再選だろうと三選だろうと、どう転んでも間違いはないのであるが、そこは、自治官僚OBのメンツもあるからか、全国区で誇れる実績を作っておきたいのだろうか、「日本初」狙いが目につく。
 そのひとつは「水源税」実施であり、続いて「食品スーパーでのレジ袋有料化」が来た。

 私は富山県名物のひとつに「見かけ見せかけ行政」を挙げてもいいと思っている。「いいこぶりっこ」の県民性によるところが大きいのではないかと秘かに考えているが、きちんと根拠を示せるほど研究しているわけではないから、その詮索は措くが、この二つの「初」も、どうもその手のもののようだ。
 次回からその中身を見て行く。
[PR]
by sumiyakist | 2008-07-12 23:02 | 地方自治