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出し立て

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 上の写真はようやく炭を全部出し終えたところ。初カマにしてはまあうまく焼けたほうだろう。写真で炭の左側が茶色く見えるのは、アシである。カマの中でこちらが地面についていた方で、十分に炭化しないでまだ半分「木のまま」である。未炭化なので火をつけるとくすぶるから、箱詰めの段階では切り落とすことになる。今回はアシが少し長めであるのも初カマのせいであろう。
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 炭を出し終えてカマの内部(床面)を掃除すると直ちにカマ庭に立ててあった次の原木の立て込みにかかる。上の写真は3分の1ほど立て込んだカマの中である。このあたりまでは割らない丸のままの原木がほとんどである。一番質のいい炭が焼ける。
 立てた原木と天井の隙間に細い木が横に詰め込んであるのは「あげ木」である。原木の頭(上端)が燃えて灰化するのを防ぐために入れる。燃材を3〜40センチに切ってこれに使う。
 
 炭を出して次の原木を立て込む作業のことを「出し立て」といって、本来は早朝から一日でやってしまう。そして、翌日の朝からはもうカマに火を入れて焚き始める。カマが冷えないうちに焚くから効率もいいのである。しかし、一人でやっているとなかなかそうはいかない。まして、半日は所用で下界へ出て行かねばならないことなどがあると、炭を出すのに2日もそれ以上もかかることもある。
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by sumiyakist | 2007-10-31 22:08 | 自然と暮らし

炭を出す

c0068917_20221196.jpg カマを破って炭を出し始める。左は3分の1ほど出したところ。ふつう、カマを造って初回の火入れは、炭を焼くことよりもカマ(とりわけ天井)を焼き上げることが主目的なので、あまり良い炭はできないということになっている。しかし、今回は本来のドロ天井に比べれば土(ドロ)の量が少ないせいか、けっこう良い炭が焼けているように思う。

c0068917_20301660.jpg この時のカマの中の様子。

c0068917_20313667.jpg 上の写真にも写っているが、炭を運び出すのに使っているのはプラスチックの雪遊び用のソリ。昔ながらの道具は、長めのササを使って編んだボートか小型のハンモックのような形の籠である。それに炭を何本かずつ乗せ抱えて運び出す。
 たまたま孫たちのため買ってあったソリを使ってみたら、これは引っぱるだけでいいから楽であることを発見。もっぱらこれを愛用。
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by sumiyakist | 2007-10-29 20:42 | 自然と暮らし

きのこ=コケ

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 秋のささやかな楽しみのひとつがキノコ採り。当地ではコケという。昔流の農作業から山の暮らし全般まで、いろんなことを教わった、今はなき隣村の婆さんに連れられて山を歩き回って以来、秋のシーズンには必ずキノコ採りを欠かさない。
 今年は高温が続いたせいか、なんどか山へ入ってみるが空振り。例年より10日ほども遅く、3度目か4度目になってやっと写真の程度の初収穫。
 その昔、婆さんに「変なものには手を出すな」と教わったとおり、地元でカッパと呼ぶ「サクラシメジ」と、同じくイッポンシメジと呼ぶ「ホンシメジ」や「ウラベニホテイシメジ」だけを採る。写真の中央にあるのがイッポンシメジである。
 ただ、図鑑などでイッポンシメジというのは毒キノコである「クサウラベニタケ」の別名であるから、ややこしい。この毒キノコである「クサウラベニタケ」のことを婆さんはササシメジと呼んでしっかり区別するように注意してくれた。間違って食べて食中毒を起こすことがあるとのことである。確かに色や形はとても似ているが、傘と柄のバランスや柄の太さなどで、慣れるとはっきりと違いが分かる。
 カッパに比べるとイッポンシメジは少し遅れて出るから、これからもう少し採取できる時期があるはずだ。
 キノコ採りの面白さは、山菜と違ってその所在も時期も不確かかつ微妙なことだろう。おおよその区域はあるにしてもいつも出る場所が決まっているわけではない。気温や雨などの条件によって発生時期が微妙に異なるし、一日ないし数日で消えてしまう。
 おまけに、薪炭林として伐採されることが少なくなり、森が老化しているせいか、昔に比べるとキノコの発生自体が少なくなっているようだ。村の古老は、列をなしてカッパが発生していた様子(「シロをかく」という)や、背負いきれないほどコケを採った話をするが、いまは、半日山の中を歩いてもカゴに一杯採れればよしという状況だ。
 枝をかき分け蜘蛛の巣を払いながら斜面に目をこらしつつを歩いていて、やっと発見するや嬉しさに思わず声をあげてしまうのである。
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by sumiyakist | 2007-10-27 09:28 | 自然と暮らし

木を割る

10月に入って晴天が続き、山仕事ははかどる。そのぶん体はきつい。40代から50代の半ば頃まではどんなに疲れても一晩寝るとすっかり疲れが取れたが、さすがに、50代半ばを過ぎるころからはそうは行かなくなった。当然のことで、体をだましだまし使うしかない。

c0068917_22185849.jpg さて、炭焼き小屋まで運んだ木は、太いものは割らなければならない。これがまたひと仕事。もちろん、エンジンと油圧を使った薪割り機という機械もあるにはあるが、1.2メートルもの木を割る能力の製品となると、数十万円もする。自家製で作る魂胆で、エンジンと古い油圧ポンプ・シリンダーを手に入れて知り合いの鉄工所で作ってもらおうと目論んでいるがなかなか資材がそろわないまま今に至っている。木を割るのに使う道具は写真のように、ヨキ(斧)、鋼鉄のくさび、プラスチックのくさび、手製のカケヤである。フシなどでどうしても割れない時にはチェーンソーで切る場合もある。

c0068917_22381434.jpg 作業を順を追って説明してみよう。まず木口にヨキで割れ目を入れる。

c0068917_22401250.jpg割れ目にくさびをカケヤで打ち込んで行く。くさびは刃の角度や長さがいろいろあって、適当なもの選んで打ち込む。木目の通った木(「性のいい木」)は割りやすい。ナラやクヌギなどは概して性がいいが、それでもフジが巻き付いてごつごつしたものや斜面でねじれたものなどは木の繊維が複雑によじれていて手こずる。

c0068917_22482098.jpg原木はおおよそ握り拳の大きさほどの太さまでに割る。太さによって2つ割りで済む場合もあるが、これは4つ割りにする。

c0068917_22521014.jpg 4つに割り終わったところ。これなどは性のいい木の見本のような木である。

c0068917_2253589.jpg 元がひとかかえほどもある太いナラである。くさびを何本も打ち込んで少しずつ割ってゆく。

c0068917_22555252.jpg 1時間ほどもかかってようやく8つに割った。

c0068917_23062.jpg ときどき割った木のなかからクワガタの幼虫が出てくる。申し訳ないが、もう帰ってもらうすべもない。

c0068917_22572395.jpg こうして、割らないでもいい木と割った木とを小屋の中(カマ庭)に立てる。ひとカマ分をあらかじめ立てておく。

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by sumiyakist | 2007-10-25 23:10 | 自然と暮らし

千島学説=異端の医学理論

c0068917_19433962.jpg 身の回りにガン患者のいない人はないだろうと思われるこのごろである。私も数年前に伯母を亡くしたし、いまも知り合いに何人かの患者がいる。わが国では年間50万人の新たなガン患者が生まれ、30万人以上がそれで死亡するというから、全く珍しいことではない。
 先の『裁判が日本を変える』に続いて、またひとから貰った本のことで恐縮ながら、一冊の本を紹介する。これは一般書店では入手できないようなので関心のある向きには役に立つ情報だと思う。
 その本というのは『「ガン呪縛」を解くーー千島学説パワー』(稲田芳弘著・Ecoクリエイティブ刊)である。帯の惹句には次のような文句が書かれている。

  現代医学の基礎理論が
  そもそも間違っている
  間違った現代医療に
  ガンの完治は望めない
  
  3b期のガンを宣告された筆者が
  病院治療を拒んで千島学説的治癒の旅へ
  そして1年…。さて、その結果は?

  革命的な医学理論と言われながら長い間封印され黙殺され続けてきた「千島学説」…
  その封印を いまガン患者として解く
  「千島学説」はガン完治の確かな地図 原因さえ分かればガンは恐くない


 著者は元来、環境や農業、食と健康などを世界を舞台に取材して来たらしいライターであるが、上のコピーの通り、自らが乳ガンの宣告を受ける。(男でも乳ガンに罹るということをはじめて知った)。そして、以前から疑問を持っていた現代医療による治療(手術・抗ガン剤・放射線)を拒否して、いわゆる代替え医療を選ぶ。
 これだけならある種の代替え治療体験談にすぎないが、そんな簡単な本ではない。現代医療、あるいは近代医学にたいする根底的な批判が展開されているからである。
 その中心は「千島学説」である。私はこの名前もはじめて知った。医学界では異端として黙殺されて来たらしいが、確かに、医学や生物学の常識を根底から覆す理論である。かといって、いわゆるオカルトのようなものではない。千島喜久男博士(1899~1978)という人物が実証的な科学的方法によって研究し主張したものであるという。また海外の学者にも支持者があるとのことである。
 ネット上にも詳細な情報があるが、そのもっとも中心的な原理は8項目。
1.赤血球分化説  (赤血球は凡ての体細胞の母体である)
2.組織の可逆的分化説  (飢餓・断食時には体細胞から赤血球へ逆戻りする)
3.バクテリア・ウイルスの自然発生説   (バクテリア・ウイルスは一定条件下で自然発生する)
4.細胞新生説  (細胞は分裂増殖しない。6つの形態で新生する)
5.腸造血説 (骨髄造血説は誤り。造血器官は小腸の絨毛である)
6.遺伝学の盲点  (生殖細胞は赤血球から。遺伝は環境を重視)
7.進化論の盲点  (弱肉強食思想は行き過ぎ。進化の基盤は共存共栄である)
8.生命弁証法   (生命現象を正しく観察するための科学方法論)

 関心のあるかたは、詳しくは上のホームページなり書物なりをご覧いただきたいが、私はこの「千島学説」の概略や関連のあれこれを読んで、世にいろいろ唱えられている「代替医療」「自然治療」「ホリスティック医療」などの、非主流の医療が(直接的に依拠はしないにしても、そして、必ずしも意識的ではないにしても)千島学説やその系列の理論に基づいているのではないかと思い当たった。あるいはまた、玄米正食(マクロビオティック)などの食生活の方法の根底にも基礎理論としてこういう考え方を設定すると合点がいくように思われる。
 本書は400ページ以上もある大冊であるが、読み辛くはない。この本を読み、関連して何冊かの代替医療関連の本に目を通してみた結果、私は、もしガンの宣告を受けるようなことがあれば、少なくとも現代医療の手術・抗ガン剤・放射線の手法はご遠慮申し上げたいという気になった。
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by sumiyakist | 2007-10-22 19:58 | 自然と暮らし

秋は忙しい

c0068917_20471667.jpg 昨夜来の雨が完全にあがらないので山仕事は控えて、午前中は畑の周り(休耕田だから元来は畦)の草刈りをする。日本の農業は草との闘いだといわれるが、まさにその通り、田といわず畑といわず、除草が重要な作業のひとつである。春から数えて5回目くらいだろうか、これが最後の草刈りである。写真の右側の作物は収穫期に近づいている小豆。

c0068917_20481849.jpg アップしてみるとこういう状態である。緑色のさやもあるが、枯れ始めているさやもある。このさやの中で小豆が熟していく。早く熟したものはいったんさやでもいで、そのあと、10月の終わり頃に茎もろとも全部抜いてハサに掛けて干す。

c0068917_20492761.jpg ついでながら、我が家のものではないが、隣のソバ畑(これも元来は田んぼ)を写した。こちらもソバの実が黒く熟している。ひと月前には一面白い花が咲いていた。ここは生産組合の作業員が大型のコンバインで刈り取りに来る。

c0068917_20501547.jpg アップで見ると、ソバも、白い花、白ないし緑色の実、茶色ないし黒い熟した実と、株によって時間差を伴って成長しているのが分かる。


 午後からはすっかり天候が回復。山での炭材の伐採を続ける。当分のあいだカマの対面の細い尾根が仕事場である。ということは斜面に生えている木が殆どということになる。そのまま伐ると当然たいていの場合、谷の方へ倒れてゆく。それを下から運び出せない時は何とか山側に倒して、さらに尾根へ引き上げるという効率の悪い仕事を強いられる。
c0068917_20513742.jpg そういうときに使うチルホールという人力牽引装置。直径1センチほどのワイヤーで引っぱる機械である。1メートル足らずのハンドルを往復させることで吊り上げで800キロ、引っぱりで1250キロの力を出すことが出来る。片方を切り株や立木に固定してワイヤーを延ばして倒したり引き上げたりする木にフックを使って掛ける。

c0068917_20524574.jpg こうして切り倒して引き上げた木である。横になっている手前の木はシデ、その向こうはクヌギ、縦になっているのはナラである。チェーンソーは必需の機器だが、ラジオも炭焼きさんの友達である。(この日は国会中継を流しっぱなしにしていた。)

c0068917_20541594.jpg 半日、斜面を登ったり下りたりし、チルホールのハンドルを動かし、チェーンソーを使い、ナタを振るって木と格闘。日暮れ近くなって帰りの尾根道である。向こうのほうにに玉切りした炭材を運ぶための一輪車が見える。 

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by sumiyakist | 2007-10-18 21:02 | 自然と暮らし

政治・カネ・女・NPO

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 市民オンブズ富山の今年の総会には異色の講師を迎える。関組長こと、関義友氏である。上はそのチラシである。
 氏のブログ「関組長の東京・永田町ロビー活動日記」をご覧いただくとその活躍ぶりの一端がわかる。

 市民オンブズ運動は、基本的に地方自治体の行政を監視するという活動をしている。だから、あまり国政には(関心はもつにしても)関与しないのが通例である。多分、全国のどのオンブズ組織もそうだと思う。「永遠の腐れ縁」ともいうべき「政治とカネ」の問題についても、目下オンブズが精力的に取り組んでいるのは地方議員の「政務調査費」(条例に基づいて公費から支出される)についてである。国会議員の、いわゆる「政治資金」とはやや性格がことなる。そういう点からも今回の講演は異例かもしれない。

c0068917_1241563.jpg しかし、長勢甚遠氏は富山県1区選出の代議士であるし、安倍内閣で法務大臣を務めた重要な政治家である。氏にまつわるスキャンダルは週刊文春が大きく報じたことがあり、しかも、NPOを使った新しい手法である。私は関心を持ってみていたら、その後、朝日が1面トップで取り上げた。

c0068917_1247654.jpg これもまた、別のNPOがらみの事件である。

 政治とカネは永遠の腐れ縁であり、政治家と女もまた、洋の東西を問わず腐朽のテーマである。ここにNPOが一枚加わっているのが、いまふうといえば言える。NPO法人となったわれわれ市民オンブズ富山としても、ここはひとつ長勢氏のカネと女とNPOを追跡していた関組長に登場願うのが最適だろうということになった次第。
 年一回の総会の中の催しであるが、一般にも開放する。どういう展開になるか、ご関心の向きにはご来聴いただきたい。
 関組長のやや詳しいプロフィルはチラシの裏面に載せた。
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by sumiyakist | 2007-10-08 13:12 | 地方自治

ムシかけ

c0068917_13104562.jpg いよいよ炭焼きの最終工程になる。カマの温度は次第に上がり、通風口から覗くと日中でも赤く見えるようになる。左の写真は煙突の温度で255度の時のカマの中である(午後5時半)。赤外線のせいか、カメラのフォーカス機能がうまく働かないようだ。

c0068917_13114152.jpg 2時間後の午後7時半、煙の温度は270度。原木全体が真っ赤に熾った炭、あるいは灼熱の鉄棒のように見える。このあたりから「ネラシ」にかかる。通風口・煙突とも少しずつ開けてやって空気量を増やしてやる。温度上昇が早まり、ガス分が燃焼して炭が焼きしまる。精錬である。

 8時半で280度。もう少し空気の流入を増やす。そして、煙が300度に達したら(内部は7〜800度)炭化は終了。カマの口をドロと石(煉瓦)とで密閉し、さらにその前を板で囲って土砂を入れて気密を保つ。土管の煙突も取り除き、石の板で塞いで砂で目止めをする。つまり、カマを密閉するわけだ。この作業を「ムシをかける」と呼んでいる。
c0068917_13131924.jpg この作業は、カマの進行に合わせるしかないので夜になることが多い。以前は乾電池式のヘッドライトや灯油ランプを使っていたが、今は発電機がここでも役に立つ。エンジン音さえ我慢すれば150ワットの投光器の照明で作業は楽だ。

c0068917_13141631.jpg 今回は第1回目のカマであるので、気密の漏れ(「息をする」という)がないかを慎重に点検。漏れている箇所には砂をかけて止める。作業が終わったのは10時半。あとは自然に火が消えてカマ内の温度が下がるのを待つ。それまで最低でも4〜5日かかる。
 左の写真はもちろんストロボで撮っている。

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by sumiyakist | 2007-10-06 13:18 | 自然と暮らし

自発炭化

c0068917_113238.jpg 臨界に達した後は、炭化に必要な最小限の空気が供給されるようにカマの口と煙突の出口を絞ってしまうとカマについている必要はない。

c0068917_114297.jpg カマの内部では炭材が温度が高い上から下へ向かって炭化しているのである。しかも、この木材の自発炭化というのは発熱現象なので、次第にカマ内の温度が上がってゆく。直接計ることは出来ないが、煙突の煙でそれを計る。
 この段階になると、次の炭材を用意するためにチェーンソーを持って山へ入るが、その前後にときどき煙突の温度を計って進行状況を確かめる。80〜82度が一日半程度続いたあと、緩やかに温度は上昇し始める。100度を越えると1時間に10度ほどの上昇率となる。160度で木酢の採取をやめる。
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by sumiyakist | 2007-10-05 11:10 | 自然と暮らし

炭窯臨界

c0068917_1015789.jpg 火を入れた炭窯の2日目。 朝、7時半に(通風口のみにして)いったん閉じてあった焚き口を開く。一杯入れておいた燃材はすっかり燃え切っている。新たに燃材を投入して口焚き再開。

c0068917_10155848.jpg もうカマの内部が暖まっているので扇風機で送風しなくても煙は煙突の方へ引いてゆく。煙突からはモクモクと煙が出る。

c0068917_10173285.jpg せっせと燃材を切ってはカマに入れ続ける。火勢はいっそう強くなり、カマの焚き口は炎が燃えさかる。

 こうして焚き続けること5時間ほど、煙突から出る煙は浅黄色を帯び、臭いも「辛い」と表現されるものに変わる。木材の熱分解ガスが発生しているのである。煙の温度は82度。この時、カマの内部温度は(天井部分から)260〜70度の臨界温度に達しているはずだ。この温度で木材が「自発炭化」し始めているのである。
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 カマの内部はガスで一杯になり、薄い赤紫の炎がまるでオーロラのように、形を変え揺らめきながら燃えて、ちょっと幻想的な光景が現れる。5分〜10分ほどこの光景が楽しめる。(これまでにも何度か写真撮影を試みたが、この炎の感じは写し撮れない。)

c0068917_1020829.jpg 煙突から出る煙はほとんど分解ガスになるので、この時点から木酢液の採取を始める。写真は小屋の裏から見たところ。

c0068917_1025115.jpg ガスは煙突の上のフードから後方に延びたステンレスのパイプに導かれて上ってゆく。場所に引きがないのでL字型に曲げて長さを確保している。長ければ長いほど回収効率がいい。

c0068917_10275688.jpg そのうちに凝結して液体となり、逆にパイプの中を流れてきて、フードから滴り落ち竹の樋(上から2番目の写真の左側に写っている)を伝ってカマの前に置いたタンクに落ちてくる。これが「木酢回収プラント」の全容である。

 ここまで来ると燃材の投入はやめて、焚き口と煙突の口を徐々に狭めてゆく作業に入る。これは、炭化の速度をコントロールして炭の質を高めるための操作である。(基本的には、なるべくゆっくり炭化させるほうが良質の炭ができる。)
 4〜5時間かけてこの締め込み作業をする。今回はカマが湿っているし、予測がつきにくい。結局、夜、オンブズ小矢部の定例会を終えて帰ってきた9時半頃に最終的な締め込みを行った。(焚き口・煙突とも5センチ×15センチほどにする。)
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by sumiyakist | 2007-10-03 10:37 | 自然と暮らし