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結審

 5月24日の第4回公判から裁判長が交替した。裁判官の異動に伴うもので、佐藤真弘裁判長となった。(左右の陪席裁判官は変わらない。)それにしても、交替したという挨拶ひとつあるわけでなし、もちろん、自己紹介など一言もない。
 今回のように途中で裁判官が替わった場合、これまでの審理をいわば「おさらい」するための「更新」という手続きを要求出来るらしいが、われわれの場合、そこまでする必要もなかろうということで、そのまま継続したのである。
 聞けば、前任の永野圧彦裁判長から引き継ぐ案件が50件ほどもあるらしく、われわれが取り上げている法律の条文解釈だけの問題のような単純なものばかりではないだろうから、大変といえば大変な仕事ではある。しかしそれにしても、民主的な制度による裁判なら、一言「こんど審理を担当する○○です。よろしく」ぐらいの挨拶はあってしかるべきだろう。
 裁判官が目の位置よりも高いところから見下ろすという裁判所の構造について、はじめて裁判所に入ったというメンバーが大いに異を唱えていたことがあるが、司法制度改革というなら、こういう法廷の構造や慣習に現れる「非民主性=非対称性」をこそ変えなければならないのではないか。
 さて、被告側の反論(準備書面1)に対して、わが方は再反論(というよりほとんど黙殺)の第2準備書面を提出した。私に書かせて貰うならもっとクソミソにやっつけてやるところであるが、青島弁護士が法廷用語を使って書いたのは次のような穏やかなものである。
 これをもって「前富山県知事退職金返還請求訴訟」の第1審は結審し、8月2日の判決を待つことになった。

           第 2 準 備 書 面

 原告は下記の通り被告の答弁書に関する主張に対して認否及び反論を準備する。
                  記
1 上記書面の第1は争う。
  晴山教授の意見書は議会の民主的統制のみではなく、条例改廃請求権等による住
民の自治体に対する民主的統制の観点も指摘しており、被告の主張は一部のみを取り
上げるもので失当である。
2 同書面第2は争う。
  上記の通り、被告の主張は前提を誤っており失当である。
  なお、原告らは訴状において選挙による住民の意見の反映を指摘するなど住民に
よるコントロールの問題を指摘しており、晴山教授の意見書も上記の通り、条例改廃
請求権による民主的統制の重要性を指摘しているのに、被告は答弁書以降今回の準備
書面(1)に至るもこの点について触れておらず、反論不能となっていることが明ら
かである。
                                         以上


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by sumiyakist | 2006-05-26 09:02 | 知事退職金

県側の反論

 昨日、5月24日午前、前知事退職金返還請求訴訟の第4回公判が開かれた。われわれ原告側から晴山教授の意見書が提出されており、それに対する被告=県側の反論(準備書面)が出された。(もちろん、これもあらかじめ原告側に内容が届いている。)
 この県側の反論は、われわれの主張や晴山教授の意見書に正面から応えようとせず、まるでスジ違いの屁理屈を述べているものである。小泉首相の答弁のようだ。(笑)

 われわれは、これは再反論をするに値しないと判断。黙殺に近い内容の第2準備書面を提出し、これをもって結審することにした。判決は8月2日と決まった。
 
    〜〜〜〜〜〜〜以下、被告=県側の反論〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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by sumiyakist | 2006-05-25 08:50 | 知事退職金

アドバイスを聞こう

村田昭治をブランディング戦略とコミュニケーション戦略の総司令に
 人気ブログの「世に倦む日々」(thessalonike)が立て続けに憲法問題(というより、護憲運動に対する親身な批判とアドバイス)を述べている。
 私はどちらかというと(批判的に取り上げられていた)辺見庸などに近い感覚の人間であるが、thessalonike氏のいうことには相当程度頷かざるを得ない。
 珍しく日曜日であるにもかかわらず新規の記事を書いていて、なにごとかと思ったのであるが、村田昭治という人物の登用を勧めている。そこそこ「知名人」の名前を知っているつもりでいたが、村田昭治という人については全く知らなかった。ネットなどを見ればマーケティングの大家なのであろう。
 「9条の会」や「マガジン9条」のヘッドクオーターが氏のアドバイスを虚心に読み、積極的に取り入れてくれるよう期待している。(私自身もそうありたい)。


↓このバナーはまた別のブログ「雑談日記」から拝借している。
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by sumiyakist | 2006-05-21 20:52 | 憲法・教育基本法

戒石・その2

 戒石の文章を好む人がある程度存在するようで、ネットで検索するといくつかの自治体でもこれを掲げているようだ。
 富山県も県庁職員の立場で(知事の顔色を窺う気分があり生真面目すぎて微笑ましいが)率先して取り上げている。なお、このページは県庁のHPでも今までに見たことがないから、このブログで取り上げてから慌ててアップしたのではないかとも思われる。(そうでないというなら、県職員など関係者からの指摘を待つ。)
 古いところでは二本松藩(福島県二本松市)でもこれを石碑にしていたらしい。
 私は、この文章は帝王ないし専制君主の言葉であって、民主制とは相当ずれがあるように思う。富山県庁の説明の文章では無理やり現代的に訳して「爾(なんじ)」を「公務員」としているが、原義では当然「帝王の僕」であろう。また、「上天」も、「天に名を借りた帝王自身」を意味するのだろう。 すなわち、「ワシの目はごまかされんぞ」と言っている。
 そういう意味で、「中沖天皇」(実際、蔭ではそう呼ばれていたという)が、平成15年の、いわば権力の絶頂期の時点で、この言葉をあらためて「群臣」に説いてきかせようと思ったのではないかと思う。
 その時には、まさか後年自分の退職金について「いちゃもん」をつける人間が現れようとは思いもよらなかったことであろう。
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by sumiyakist | 2006-05-19 00:34 | 知事退職金

 戒石(いましめいし)

c0068917_14155249.jpg 富山県庁の建物に入る手前の植え込みのなかに写真のような石碑がある。その前に説明のプレートが設置されていて(上の写真で白く見えている)、次のように記されている。
 
             *

     「戒石銘」について
      この石碑には、

c0068917_1419390.jpg  爾(なんじ)の俸(ほう)、爾の禄(ろく)は、民の膏(こう)、民の脂(し)なり。
  下民(げみん)は虐(しいた)げやすく、上天は欺(あざむ)き難し
「公務員の給料は、住民が汗を流してあぶらして働いたものから得ている。住民をしいたげることができたとしても、天をだますことはできない」という、公僕に対する戒めの言葉が書かれています。
「戒石銘」の原典は、中国・五代十国時代、後蜀の君主、孟昶(もうちょう)の作による九十六文字の「戒諭辞」に求められ、北宋の君主、太宗がその文中より四句十六文字を抜粋し、郡県の役所の前の石に刻ませたことに始まります。
 この石碑は、昭和四十二年に佐伯宗義氏から寄贈されたものです。
     平成十五年十一月
                                 富山県」
                   *      
  
 寄贈者とされている佐伯宗義氏は富山地方鉄道を設立経営した経済人であり、代議士としても活躍した人物である。

 石碑自体は寄贈された時(吉田実知事の時代)から現在の場所にあったらしいが、この説明プレートを作ったのは中沖前知事の「治世」だから、氏の意向が当然反映していると思われる。 はてさて、氏はこの戒めをなんと読んだのであろうか。

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by sumiyakist | 2006-05-17 14:39 | 知事退職金

小泉首相も言ってるゾ!

c0068917_20593134.jpg 地方自治体首長の退職金について、小泉首相が高すぎると批判したとの記事が連休前にほとんどの新聞に出ていた(左の写真は読売新聞4/28)。
 先日のオンブズの例会で、われわれの運動がついに小泉氏の耳にまで入ったのではないかと、いう感想もあった。こんど会ったら聞いておこう(笑)。そこまではどうかと思うが、間接的にいくらかの影響はあるだろう。
 その後も、とりわけ読売と毎日が首長退職金問題を取り上げだした。読売(5/9)は、多くの府県市で退職金支給の計算に際して在職月数をひと月多く取っていることを大きく取り上げている。一期=4年なら48ヶ月分が在職月数なのに、就任と退職の月をそれぞれ算入して、49ヶ月にしている自治体が相当あるという。
 一方、毎日(5/8)は小泉首相の発言の波紋を「増幅」するような記事を書いている。我々が疑問を呈しているように、首相の退職金は一般公務員と同じように在任「年数」で計算するのに対して、知事らの自治体特別職は「月数」を掛けるためにたいへんな高額になることを指摘している。
 その記事の中で、首長の退職金が高額になる理由について、「知事の職責の重さは民間企業の取締役と同等」だから、民間の月額計算を取り入れたのだという「自治体関係者(ってだれだ?)」の言を紹介している。
 「民間なみ」とは聞いて呆れる話である。民間企業の感覚をいうなら、不要なハコモノと莫大な借金を残し、赤字財政に陥らせて退職するトップに高額の退職金を支払いなどしようものなら、たちどころに株主代表訴訟を起こされるだろう。
 企業の株主と違って、自治体の「株主」たる住民が、何も知らされず、知ろうとせず、おとなしいことにつけ込んでいるだけだと言っていいのである。
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by sumiyakist | 2006-05-14 21:07 | 知事退職金

「誰か」が「何とか」

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  上の写真は「憲法をまもる小矢部の会」設立大会のチラシ案の裏面である。
 国民投票法案の上程が今国会にもあるかもしれず、「改憲」が差し迫った政治テーマになりつつあるが、改定に賛成にしろ反対にしろ、一般の意識はさほど高くないのがじっさいだろう。
 憲法第12条は、
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」
と説く。にもかかわらず、多くの人は、「不断の努力」などという面倒なことをしなくても「誰かが何とかしてくれるんじゃないか」と思ってきた。
 「配給された民主主義」という戦後日本の政治意識を揶揄する言葉もあったが、それは一面の真実を衝いていた。その帰結としての日本型「おまかせ民主主義」ができあがった。その弱みをついて、いま「誰か」が「何とか」しようとしているのである。
 滝沢教授のメッセージにあるように、この憲法=民主主義は「多くの血と涙が流された後に、やっと、手に入ったもの」であることを、深く思い起こすべき時が来たのである。
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by sumiyakist | 2006-05-13 10:35 | 憲法・教育基本法

憲法をまもる小矢部の会

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 昨年の春から夏にかけて「小矢部で憲法を読む会」という、いわば憲法の輪読会のようなものを毎月開いたことがある。最初の1回は憲法学の専門家に「憲法入門」のような講義をしてもらい、あとの5回は自分たちだけで条文を読んで感想や意見を出しあった。毎回20人以上の参加者があって、ともかくも(「上諭」という付属文書も含めて)、前文と第1条から103条までの憲法の条文をじっくりと読んだことはそれなりに有意義であった。
 その「読む会」の中心的なメンバーから声が上がって、自民党の「新憲法草案」も出され、教育基本法の改定案が上程されている現在の状況にかんがみて、勉強するという姿勢を一歩進めて「憲法をまもる小矢部の会」というのを立ち上げようということになった。
 県内でも、これまでにある護憲・平和団体に加えていろいろな会やグループが新たに結成されて活動を始めている。各地域でもさらに細かく分かれて活動を始めているところもある。(医師だけの「9条の会」といったものも作られているようだ。)
 その設立大会に富山国際大学教授の滝沢荘一氏の記念講演をお願いした。上の写真はそのチラシ(案)である。
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by sumiyakist | 2006-05-11 14:43 | 憲法・教育基本法

オンブズ例会

 わが「市民オンブズ小矢部」は(緊急の場合には臨時に集まることもあるが)、原則として毎月一度最初の火曜日の夜に定例会を開いている。今月は連休もあったので、第二火曜の昨日(9日)になった。
 晴山教授の意見書をみんなで熟読して感想などを話し合った。メンバーには小矢部市議がひとりいるが(そのほか、私も元市議だが)、あとはフツーの市民、さまざまな業種の自営業者やサラリーマンだから、行政や法律の用語には縁のない人がほとんどである。しかし、この意見書は明快な文章であるし、当事者ゆえに身を入れて読むせいもあるのだろうが、非常によく分かったという意見がおおかった。
 原告になるにしろ被告になるにしろ(当然ながら、どっちみちなるなら後者より前者のほうがいいが)、当事者になってみると法律が身近になるものだ。
 さて、今月の24日には第4回公判が開かれ、被告(富山県)側からこの意見書に対する反論が出されるかも知れないのであるが、この理路整然とした意見書に対してどういう反論が出てくるのか楽しみだな、というのが結論になった。
 そのほか、市議会に対して政務調査費の使途について、基準の明確化と公開について申し入れをしようなどと、例によっていい歳をしたオジサンたちが少年のように口角泡を飛ばしつつ、和気藹々、話し合ったことである。
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by sumiyakist | 2006-05-10 11:39 | 知事退職金

国民監査制度

c0068917_17431131.jpg 4月26日の参議院・行革特別委の中継をたまたま見ていたら、質問者の最後に荒井広幸氏が立った。郵政民営化に対して、対案を示しながら最も理路整然と反対した議員であり、その後、自民党を出て新党日本の結成に参加し幹事長になっている人物である。

 氏が質問の2点目になかなか面白いことを言った。地方自治法にある住民監査制度を国レベルでも作ったらどうかというのである。つまり、自治体行政に対する住民の直接請求にならって、税の使い途に関して不正・不当を発見したら国民はだれでも会計検査院に対して「監査請求」が出来るようにしたらどうか、というものである。

 荒井氏の主張するような国に対する直接請求制度が出来れば当然、その次の段階として(住民訴訟を前置して住民訴訟が行われるように)「国民訴訟制度」が導かれることになるだろう。これはこれで面白い制度だと思う。

 しかし、私はむしろ、現行の住民監査制度が次第に骨抜きにされ、住民にとって使いにくて行政にとって無害なもの、そして実効性のないものに次第に変質させられてゆくことを心配している。(自治体の代わりに<代位して>直接的に返還請求をすることが出来なくなったことは、地方自治法改悪ですでに述べた)。

 それはともかく、荒井氏の主張に対する小泉首相の答弁は、例によってまともに答えずにすれ違いに終わってしまったのであるが、以下に議事録のその部分を転載しておくのでご関心の向きはお読みいただきたい。

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by sumiyakist | 2006-05-07 15:08 | 地方自治