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裁判報道

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 二つの新聞記事は上が朝日、下が読売。いずれも12月8日付けの富山版。(縮尺が違うのはお許しを。)
 記事中、「口頭弁論」が行われたとあるが、県側はあらかじめ12月7日付けの答弁書を提出しただけ。「口頭」で「弁論」が行われた訳では全くない。書証主義の我が国の裁判では、法廷は文書の交換を確認するのと次の日程を協議するだけの場であることは承知の上だが、それを報じる報道が、読者に誤解を与えるような記事を書くことに何の疑問も抱かずに「常道」としていることに(当事者になってみて改めて)驚き、腹立たしい思いをした。
 12月7日の富山地裁で「口頭」で「弁論」をしたのは、先に見たとおり、われわれ原告3人だけなのであって、それ以外のなにものでもない。確かに、訴訟の主要な文書は訴状とそれに対する答弁書であろうけれど、その交換確認だけを記事にするなら記者クラブの机に座っていて書けるのであって、わざわざ裁判所まで来なくてもいい。
 取材しないことを書いてメモにして送った記者の事件があったが、それと反対に、せっかく現場で取材して「口頭弁論」らしい出来事があるにもかかわらず、それを一言も書かず、いわば架空の「口頭弁論」を戦わせたかのような記事を書くのは事実のねつ造である。
 新聞では裁判記事はこう書く、という「ブンヤの常識」があるらしいが、記者はそれをヘンだと思わないのか? 朝日と読売の支局に電話をしてそのことを言ってみたが、あまりピンときてないようだった。                                     
 
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by sumiyakist | 2005-12-10 12:55 | 知事退職金

意見陳述その3

 意見陳述の最後は石山氏である。以下に氏の陳述草稿を載せる。
          *
 県民の一人として中沖前知事の退職金に対する意見を述べます。
 私は、小矢部市内で自営業を36年間営業しているが、今まで会社勤めと店の仕事と働き、妻と子の協力もえて、店や家のローンを10年で返済し、長年にわたり税金を納めてきた。中沖前知事の高額の退職金の2億3千5百万円の用に泉のような税金の使われ方に対して、苦労の中から工面して納めた税金のことを考えると、大きな怒りを感じてならない。
 小矢部市で市民オンブズの一人として参加し、みんなの協力のもとで活動をしています。機関紙や親子の対話の話として、 役所の行政のあり方、住民への対応など、子供達にもメールなどで解りやすく発信し、今出来て間もない市民オンブズ小矢部の活動に対して、学校においても、先生と生徒の話題にもなり、家では 親と子の中でも語られています。
 

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by sumiyakist | 2005-12-09 18:12 | 知事退職金

意見陳述その2

 第1回公判での意見陳述の2番手は西尾氏である。
 氏は、あらたまって意見を述べたり文章を書いたりするのはあまり得手ではないが、今回の訴訟にはもっとも積極的なひとりで、意見陳述をしようという意見も氏が提案した。
 今夜(12/8)は市民オンブズ小矢部のささやかな忘年会である。公判の話題で盛り上がることであろう。
 以下に西尾氏の陳述原稿を載せる。
             *
 私は富山県の西の端の小矢部市に住んでいる一会社員です。
 オンブズ運動というのは、全国的に、都道府県、市町村において財政の不正支出がある、あるいはその疑いがあるというのを監視するためですが、小矢部市に市民オンブズが発足したのは、小矢部市においてもそういう市民の監視が必要だと思ったからです。2年前の市民オンブズ小矢部の発足時より参加しました。
 私は若い頃から政治に関心がありました。それは、政治は私たちの生活に直結するからです。
 前富山県知事・中沖豊氏への退職金支払いについては、地方自治法二〇四条によれば、きちんと条例で定めなければならないのに、平成一六年一二月時点では条例がなかったので、二億三千五百万円の支給は違法になると思います。私は、市民オンブズの他のメンバーとともに、この件に関して富山県監査委員に住民監査請求をしました。しかし、県の監査委員は、行政側の説明を繰り返すのみで、なんら合理的な理由を述べることなく監査請求を却下しました。
 それで私は裁判所の判断を求めて提訴したわけであります。
 一県民、一納税者として現在の社会状況をみていますと、国には国民一人あたり五〇〇万円以上もの借金があり、今後ますます少子高齢化が進んで社会保障費も増大すると思われます。国民負担もいっそう大きくなると予測されます。中沖前知事は、二四年間の在任期間中に八〇〇〇億円の借金を増やしました。これは、県民一人あたり約八〇万円になります。
 そういうときに、公務員、とりわけ特別職の公務員の報酬や退職金について、ただなんとなくこれまでどおりのやり方を続けていっていいとは思いません。大阪府の高石市では二〇〇三年九月に特別職退職金を全廃しました。東京都板橋区や福岡県久留米市でも首長の退職金を廃止しました。また、自治体ではありませんが、先日の新聞などで報じられたように、最高裁裁判官一五人が自発的に退職金を減額するように決められました。過去五年間の平均で一人あたり六二六〇万円が約三分の一の二三一〇万円になるそうです。
 以上のような理由で、中沖前知事に違法に支払われた退職金二億三千五百万円から、一般職としての条例に基づく退職金四四八五万九七五〇円を差し引いた一億九〇一四万二五〇円を富山県は返還を求めるべきだと思います。
 最後に裁判官各位の誠意ある判決を望みます。
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by sumiyakist | 2005-12-08 11:58 | 知事退職金

第1回公判

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 12月7日(水)午前10時から前県知事退職金返還請求裁判の第1回公判が開かれる。原告3人はもちろん、オンブズ小矢部のメンバーからほかに2人が参加(写真は公判前に裁判所の前で)。富山地裁で一番大きい法廷だが、傍聴席は市民オンブズ富山のメンバー(10年前の設立当時の懐かしい顔もあった)をはじめ、平和運動の仲間や一般市民などで盛況だった。
 あらかじめ青島弁護士を通じて原告3人の意見陳述をしたい旨申し入れてあり、私(美谷)から順に意見陳述を行った。以下に私の原稿を載せる。

1.はじめに
 (略)
2.提訴の理由
 市民オンブズ小矢部では、これまで市長交際費の使途や公共事業の入札などを取り上げてきましたが、昨2004年末ごろにたまたま、前富山県知事中沖豊氏の退職金が支給されること、しかも2億3千500万円の巨額になるということを知り、この額が妥当であるのかどうか、市民オンブズ小矢部の定例会で話題に取り上げました。
 その後、富山県の職員退職手当条例や地方自治法を読み直し、支給された退職金についてのさまざまな経緯を示す公文書や議事録などを入手してみんなで検討するとともに、法律家の意見も聞いてみました。その結果、この退職金支給は違法な支出を含んでいるとの結論に至りました。
 そして、今年の6月27日には今回の提訴の原告である3人の連名で富山県監査委員に対して住民監査請求をしました。そして、監査委員が請求を却下したので、こうして裁判所に提訴しております。
 提訴の趣旨は訴状に述べておりますので詳しくは触れませんが、要は、地方自治法は公務員の給与などの支給については厳密な条例主義を定めており、金額および支払い方法について条例に定めのない退職金の支給は違法であるということであります。なるほど、富山県の職員退職手当条例15条には、知事などの特別職の退職金は「この条例の規定にかかわらず」議会の議決によることができるとあります。
 このことをとらえて、監査請求に対する県の主張は、この条文が給与条例主義に合致している、あるいは、県民の代表たる議会の議決だから条例よりももっと有り難いのだとさえ述べております。しかし、これは大きなる誤りであります。
 条例よりも議決が優越するものなら条例は不要であり、せいぜい、いちいち議決をするのが面倒だから議決集としてまとめてあればいいということになります。こういう考えは、煎じ詰めれば法治主義あるいは立憲主義に全く背馳するものであり、こういう意識で富山県の行政が行われているとすれば、ことは知事退職金の問題にとどまらず、行政全般の質が問われることになります。
 しかも実際のところ、監査請求に対してはそのように言い訳(言い逃れ)をする一方で、今年の6月議会においては特別職の退職金に関する条例を議会に提出し成立をみております。このことが、それ以前は違法状態、少なくとも不完全な状態であったことを物語っております。

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by sumiyakist | 2005-12-07 20:03 | 知事退職金

公選法違反?!

c0068917_2315462.jpg (写真は24年間にわたって君臨した県庁を去るに際して花束を受け取る中沖氏)


 富山県選挙管理委員会で、04年分の政治資金収支報告書が公表されたのを知って、先日、閲覧するために県庁へ出かけた。この年は10月に知事選挙があり、中沖氏が引退して後継の石井氏が対立候補の黒田英夫氏を破って新知事となった年である。
 石井氏のいくつかの政治団体と中沖氏の主要な3つの政治団体を閲覧した。石井氏に関しては知事選に出るについてどういう政治資金をどの程度集めているのかを確認することができた。
 また、中沖氏に関しては、知事を引退することになった年であるから、その政治団体をどのように「幕引き」するのか、政治資金をどのように処理しているのか、ということを重点に見た。
 中沖氏関連団体の収支報告書を見ていてある問題を感じた。すなわち、中沖氏が知事引退を契機に政治の世界から引退したのなら、すべての政治団体を解散しているのが当然であるが、いくつかある政治団体のうち、主要な二つ(「とやま活性化研究会」と「豊友会」)については、解散を確認できたが、なお存続している団体もあることがわかったからである。
 翌年も継続する団体の場合ならば来年度に「繰り越し」として計上するはずの収支残について、上記2団体とも来年度への繰越金はゼロになっている。つまり、この2団体は解散を前提の会計処理をしていると推測される(実際、明けて本年の1月末に2団体は解散している)。
 が、じつは、この2団体は使い残した金額を年末に別の政治団体「中沖豊後援会」(代表は綿貫民輔氏!)に寄付していて、寄付した金額はそれぞれ131万円あまりと212万円あまりである。
 それでは、と、寄付の受け入れ団体である中沖豊後援会の収支報告書を見ると、驚いたことに、この団体は、前年からの繰り越し1000万円あまり、04年の収入、支出がそれぞれ350万円あまりと630万円あまりで、差し引き770万2031円を翌年に繰り越しているのである。
 なぜ驚いたかというと、知事を引退するということは、先に述べたように、政治家であることをやめるということであるはずだと私は理解していたからである。ある政治家の政治団体(後援会)が存在しているということは、まだ当の人物は依然として政治家(公職の候補者等)であるということである。
 公職選挙法199条2の1は公職の候補者等について、選挙区内にある者(国、地方公共団体、自然人、法人、団体のすべて)に対する寄附を原則禁止している。
  じつは中沖氏は、昨年の12月(たぶん退職金が支払われた直後であろう)、富山県に対して3000万円の寄付をしている。2億3千5百万円の退職金をもらったことに対する謝礼であろう(キックバックなどと失礼なことはいうまい)。
 この寄付が多いか少ないかは人それぞれに考えがあろうが、上の政治団体の継続の事実および公選法の規定からすると、この寄付は中沖氏の意図はともかく法律に触れる可能性が大きい。
 
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by sumiyakist | 2005-12-05 23:33 | 知事退職金

浅野・前宮城県知事の決断

c0068917_2230564.jpg 12月2日の朝日新聞に、前宮城県知事の浅野史郎氏が、なぜ四期目には出馬せず三期で辞めたかということを書いている。三期での引退は三選の選挙の当日から決めていたという。「権力は、長くなれば腐敗するとはいわないが、陳腐化する」。四選不出馬に際してこう表明したそうである。政治家に限らず、トップに立つものにとっての引き際のお手本のような決断である。あまりにもカッコいいのが逆に心配だけど。
 このブログでも、県知事が長期政権化するわけで書いたが、浅野氏もやはり同じようなことを書いている。
 「知事として長く経験を積めば、仕事上の苦労は少なくなる。選挙はますます楽になる。基盤は万全で、知名度は絶対だし、多選批判の声などは簡単にはね返せる。『四選出れば、楽勝だったのに』の声を聞いたが、『それだから辞められなくなるのですよ』の言葉を何度のみ込んだことか。」と。
 警察の不正経理に関して、高橋はるみ知事が逃げ腰の北海道とは違って、全国の突破口になるかと思われた宮城県警の捜査報償費の不正支出問題がうやむやになってしまったのは残念であるが、いちばん「好きなこと」という障害者福祉問題に全力投球をするようであるから、それはそれで期待しようか。
 ただ、浅野前知事の退職金については、三期目の退職金として4149万円あまりを受け取ったというし、一期目・二期目にもほぼ同額を受け取っているらしいから、三期・12年で1億2千万円以上の退職金はしっかり受け取ったはずだ。富山県と違って、きちんとした条例に基づいてであろうから法的に問題はないであろうし、現在の首長の「相場」ではあろうが、さて、県民の意見はどうなのだろうか?
 ちなみに、先の県知事選で浅野氏が後継として全面的に支援した候補を破って当選した村井嘉浩氏は選挙公約として「特別職の退職金廃止」を掲げていた。これを実行できれば、浅野氏とはまた違った意味で「改革派」にもなれるかも知れない。4年後の一期目終了を楽しみにしよう。(ただし、先に触れたように村井氏は執行停止されていた県警の捜査報償費の支出をあっさり凍結解除した。)
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by sumiyakist | 2005-12-03 22:26 | 知事退職金