カテゴリ:知事退職金( 87 )

裁判官を拘束するもの

c0068917_20522061.jpg 3月24日、金沢地裁で「原発運転差し止め」という画期的な判決があった。石川県志賀町の北陸電力・志賀原発2号機の運転差し止めを求めた民事訴訟での判決である。(写真撮影者は出口威氏)
 北陸中日新聞の記事は下にある。
http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/00/ikw/20060325/lcl_____ikw_____000.shtml
 原発推進はいわば国策である。民事訴訟とはいえ、国策に反することを承知の上で原告勝訴の判決を出した裁判官・井戸謙一裁判長は、「良心に従ひ(中略)この憲法及び法律のみに拘束される」(日本国憲法76条)人物のようである。
 昨今、わが国の多くの裁判官は、「良心と憲法・法律」のほか、「自己の幸福追求の権利」すなわち司法行政のなかで出世する権利にも、意識的無意識的に拘束されている。
 かつて長沼ナイキ訴訟で、自衛隊違憲という画期的な判決文を書いた福島重雄裁判官はその後、地方の地裁や家裁を転々と異動させられることになる。国策に反する判決を出せばどうなるか、最高裁事務総局はみせしめの材料にしたのである。福島氏は結局自ら退職し、公証人を経ていまは富山市で弁護士を開業しておられる。
 金沢地裁の井戸裁判長は、住基ネットに違憲判決を出し、市民オンブズつばたが公共事業の談合を訴えた訴訟で原告勝訴の判決を書いた。自分の立身願望よりも「良心と法律」に従うという、現在の司法界では稀有の存在なのである。氏の今後の処遇に注目し応援すべきである。
 それにしても、岩淵弁護士をはじめとする弁護団、随分長いあいだに(注)世代も変わってきた原告団のひとたち、終始事務局の中心にいて頑張ってくれている多名賀哲也氏、全国の支援者、労組、そして、証人として法廷で証言したり意見書を出してくださった各方面の多くの研究者、そんな沢山な人々の努力が報われた1日だった。

 捨てる神ばかりではない。裁判闘争もやってみるもんだ。
 なまくらな(当地の言葉で「なまけものの」)原告のひとりとして、みなさんに感謝。

(注)第1号機の建設差し止め請求訴訟は1988年12月提訴。
[PR]
by sumiyakist | 2006-03-26 17:58 | 知事退職金

チラシ

c0068917_8104689.jpg

 上が駅前で配布したチラシである。文字ばっかりの、お世辞にも見やすいものとは言えないが、あえてぶっきらぼうなデザインを試みた。しかしながら、受け取るや見出しの語に惹きつけられて、歩きながら読み始めて他人とぶつかりそうになる人もいるくらい、十分に「魅力的」なものであった。(裏面も、これまでの経緯を、これまた小さな文字で書き連ねてある。)
 逆に言えば、一般県民はこんなに高額の退職金が支払われたということさえ知らないということである。若い男性が、「署名運動はしていないのですか?」と問いかけてきたこともあった。もちろん、署名がしたいという気持ちを表しつつ。
[PR]
by sumiyakist | 2006-03-22 07:56 | 知事退職金

街頭宣伝

c0068917_08574.jpg 3月20日、夕方5時前から6時過ぎまでの1時間半ほど、JR富山駅前で「前知事退職金返還請求訴訟」のことを知らせるチラシを撒いた。市民オンブズ小矢部のメンバーから4人が出かけたが、うち2人はチラシ撒きなど初体験である。チラシの配布というのは、広報の媒体をもたない市民の運動にとってはもっとも主要な宣伝広報の手段である。
 ハンドマイクで趣旨を説明する一方で、手分けして通行人の一人一人にチラシを手渡しするのであるが、「前富山県知事の退職金2億3千5百万円」というフレーズが注意をひくのか、人々の反応はよかった。「がんぱってください」と声をかけてくれた人も、のべ10数人はいた。
 ちょうどこの日は、イラク戦争開始3周年ということで、そのあと6時半から駅前で行われた「イラク戦争反対」の集会と街頭デモにも参加したことであった。
[PR]
by sumiyakist | 2006-03-21 00:15 | 知事退職金

宮城県で特別職退職金を廃止

 特別職退職金の廃止を選挙公約に掲げて当選した宮城県の村井知事であるが、その公約通りさっそく特別職の退職金を廃止する条例を提案し、3月16日に県議会で成立したという。下はアサヒコムの記事である。
特別職の退職手当廃止、宮城県議会が可決 全国初
http://www.asahi.com/politics/update/0316/010.html
 インターネットで宮城県議会の録画中継にざっと目を通してみた。
 知事がこれほどすばやく、いわば自らの身を削るような議案を出してくるのは議員にとっても意外だったようで、一般質問でこの問題を取り上げた公明党の県議も「六月議会かと思っていた」と驚きを表わしていた。
 しかし、その質疑で明らかになったように、村井知事としてはこの制度を財政逼迫時の「緊急避難的特例措置」と考えているようで、恒常的なものとはせず、状況によっては旧に復する含みを持たせている。09年の任期まで一期限りのものになる公算が大きい。
 そういうことからすれば、今回の「特例条例」を手放しで評価することはできない。緊急避難的な廃止よりもむしろ、納税者である一般市民の感覚にあった世間並みの金額に減額して恒常的な特別職の退職金制度を作るべきであろう。
 ついでに言っておくと、議会のインターネット中継はだいぶ普及してきたようであるが、むしろ必要なのはいつでも必要なときにオンデマンドで見ることの出来る録画中継であり、しかも、それが発言者ごとに検索して当該部分だけを見られるような仕組みになっていることが望ましい。
(富山県議会は録画はなくリアルタイムの中継のみ。石川県議会は特定の議員ごとにダウンロードできるようになっていない。小さい自治体でも、以前は、羽咋市議会などはきちんと対応していた。市長が替わったから今はどうなったか未確認だが。)
                  *
 と、午前中に書いてアップしておいたのであるが、所用で出かける往復の車中で考えるともなく考えていて、上の記述は甘すぎると思い直した。
 というのも、宮城県知事選における村井候補の選挙公約の字句を厳密に確かめたわけではないが、氏は特別職の退職金廃止を「緊急避難的特例」として掲げたわけでもあるまい。まして「一期分だけ」といったわけではあるまい。
 さすれば、恒久的な制度としての退職金廃止を実現するのが誠実な政治姿勢というべきであって、このままでは有権者を欺いたことになるのではないか。

[PR]
by sumiyakist | 2006-03-17 10:11 | 知事退職金

学者の意見書提出へ

 今日3月15日午後、「前富山県知事退職金返還請求訴訟」の第3回公判が開かれた。われわれ原告側の主張の正しさを立証するために、専門家である学者の意見書を提出することを申請して認められた。
 意見書を書いていただくのは専修大学法科大学院の晴山一穂教授である。教授の専門は公務員法で、まさに適任者である。
 意見書執筆に時間を要することもあって、次回(第4回)公判の日程は、5月24日(水)午前10時10分と決まった。
[PR]
by sumiyakist | 2006-03-15 22:40 | 知事退職金

3月15日 第3回公判

 明日、3月15日は前知事退職金返還訴訟の第3回公判が開かれる。午後1時10分から富山地裁。われわれ原告側からは学者証人(あるいは意見書提出)の申請をする予定である。
 いうまでもなく、この事件は事実(3億2千5百万円の退職金支給)については何の争いもないのであって、要は地方自治法の解釈という法律論である。そこで、われわれの主張が正当であると評価する法律専門家の証言を裁判所に提出するということである。
[PR]
by sumiyakist | 2006-03-14 09:45 | 知事退職金

市民オンブズ連合V.Sゼネコン

c0068917_20555273.jpg


 今日、2月6日(月)午後、金沢の裁判所(正確には名古屋高裁金沢支部)で「市民オンブズマン・つばた」が、公共施設建設に関するの談合について津幡町長を相手に住民訴訟を起こした裁判の控訴審が開かれた。
 昨年、この問題について講演を聴いていたことでもあるし、津幡は、われわれ市民オンブズ小矢部にとっては県境をまたいだ隣町でもあるので、都合のつくメンバー4人で応援の傍聴に出かけた。
 津幡のオンブズではブログもホームページも作っていないとのことなので、ここで簡単に報告しておく。
 この裁判は、金沢地裁の第1審では画期的な勝利を得ている。どこが画期的かというと、公正取引委員会の摘発があって談合が行われたことが認定されてからの訴訟ではなく、あるいはまた、行政や議員の不正による刑事事件が先行して行われた訴訟でもない。まったく、市民オンブズ運動が独自に(内部告発情報を得て)監査請求を行い、住民訴訟に持ち込んだ裁判で勝訴を勝ち取ったという点で、まさに画期的なのである。
 負けた町側が控訴し(勝訴したオンブズ側も付帯控訴)、この第2審が行われることになったのであるが、控訴審ではオンブズ側の弁護士として、第1審の弁護士である出口勲氏のほかに、全国のオンブズ運動にかかわるそうそうたる弁護士12人が加わって大弁護団を形成することになった(富山の青島弁護士ももちろん加わっている)。
 被告(第1審時の。控訴審では「控訴人」というらしいがややこしいのでこれで統一)の町側には、補助参加として落札請負業者である鹿島建設がついていて、なんと11人もの弁護士を動員している。これによって、構図としては全国のオンブズ運動連合V.S鹿島(あるいはゼネコン連合)という、すごい展開になっている。
 上の写真は、公判後に裁判所となりの弁護士会館で行われた記者会見の様子である。右側がマスコミ陣、手前の頭だけ見えるのが軽井沢から駆けつけた「信州市民オンブズマン」代表幹事の松葉弁護士。その次(左端)が原告の一人で「市民オンブズマン・つばた」代表の由雄氏、その向うが出口弁護士。
[PR]
by sumiyakist | 2006-02-06 21:06 | 知事退職金

赤字財政

c0068917_21234777.jpg
 右は「県庁の広報紙」と陰口を叩かれている某新聞(笑)2/4の第1面の記事である。
 私が批判したせいかどうか分からないが「構造的不足額」という表現はやめたらしい。がしかし、まだ未練がましく(笑)「財源不足」と言っている。何故はっきりと「赤字財政」と言えないのだろうか?
 さて、前知事退職金問題について知人からメールが来た。「前知事退職金を考えるシンポジウム」を開いたらどうかという。一考すべきだろう。下はそのメールの一部。
      *
 原告が訴えたように、庶民感覚とは相容れない特別職退職金の莫大な金額が問題だ。
 退職金については、会社が莫大な借金を抱え込んだり、赤字に転落した場合に、民間企業の経営者に、はたして退職金が支払われるのだろうか。
 さらに地方公共団体と民間企業とで違うのは、民間企業では経営者として生み出した利益から報酬や退職金が支払われるが、地方自治体特別職の退職金は税金で支払われるということである。
 したがって納税者の理解がどうしても必要だ。その納税者が税金の支払いに四苦八苦しているのに、こんな莫大な退職金が許されるのか。
 裁判官が、自らの退職金が高すぎると、減額したことを、地方自治体の特別職も見習うべきだ。宮城県知事の退職金を廃止する条例提案もあり、法律論にとどまらない議論も必要ではないか。
 県民感情を、世論を、裁判に反映させる必要があると思う。そのためにも、シンポジ
ウムなど計画したらどうか。
                     *
 ついでにお知らせをひとつ。
 今日2/5、午後2時から、サンフォルテ(富山駅北口徒歩8分ほど)で市民オンブズ富山の総会がある。行政の不透明さに関心や疑問をお持ちの方はどうぞご参加ください。もちろん参加無料です。       
[PR]
by sumiyakist | 2006-02-05 00:20 | 知事退職金

退職金全廃を提案

c0068917_2181266.jpg
 宮城県知事が特別職の退職金全廃を提案したという。アサヒ・コム参照。

 浅野前知事の後継候補を破って当選した村井嘉浩新知事の公約のことは以前にも触れた。まずは公約どおりの行動をしているわけであるが、はたして、議会がこれをすんなりと通すかどうか、注目していよう。

村井知事の略歴(宮城県庁ホームページより。写真も)
昭和59年3月 防衛大学校(理工学専攻)卒業
昭和59年4月 陸上自衛隊幹部候補生学校入校
昭和59年9月 陸上自衛隊東北方面航空隊(ヘリコプターパイロット)
平成3年4月 自衛隊宮城地方連絡部募集課
平成4年4月 財団法人松下政経塾入塾
平成7年4月 宮城県議会議員(第一期)
平成11年4月 宮城県議会議員(第二期)
平成11年5月 宮城県議会保健福祉委員会副委員長
平成12年7月 宮城県議会循環型社会・環境対策特別委員会委員長
平成14年7月 宮城県議会産業経済委員会委員長
平成15年4月 宮城県議会議員(第三期)
平成16年6月 宮城県議会外郭団体等特別調査委員会委員長
平成17年11月 宮城県知事

 なににしても、前例と横並びで漫然と続いてきた自治体首長(特別職)の高額な退職金を見直す動きは歓迎である。
[PR]
by sumiyakist | 2006-02-04 09:34 | 知事退職金

語るに落ちる

 いうまでもなく、問題の中心は地方自治法204条であり、その給与条例決定主義の原則に富山県職員退職手当条例の第15条が違反するかどうかということである。
 被告側から出された答弁書の「第3 本件条例の適法性」の中の(3)

「知事の給与の額等を条例で定めるとする地方自治法204条3項の趣旨は、地方公共団体が義務として負担すべき経費は住民の代表者が決定すべきであるということなのであるから、一般的な算式を定めておくよりも、具体的な額の決定を条例の制定権者である議会に留保する方が、議会の監視機能をより重視するものであり、そのことを定める本件条例15条は、地方自治法204粂3項の趣旨をより確実に実現しようとするものであるから、これを同項に違反すると解する理由はない。」

という主張は、この訴訟に先立つ監査請求にたいする回答の中でも述べられていたものである。2月1日の公判で提出したわれわれの準備書面ではこの問題について次のように反論した。

「被告の主張は、原告が訴状で指摘したとおり、地方自治法が予定する議会と首長の抑制・緊張関係の観点から、退職金の額を条例で定める、とした地方自治法の趣旨を否定するものである。
 すなわち、地方自治法は議会がその都度議決で知事の退職金額を決定することとすれば、場合によっては退職金額を過分にも過少にも(0にすることも不可能ではない)議会の裁量で自由に決定できることとなり、議会の権限が強大となりすぎ、その結果知事が、個々の政策について議会と対立し、その意向に反して行政を推進する必要があるような場合でも、自己の退職金のことを考慮して本来行うべき行政が行えなくなるような不都合な事態も考慮し、その都度その都度の議決ではなく、ある程度安定し、住民の意思も反映しやすい条例の形式で定めることを求めているものであり、単に、被告の主張するように納税者の代表が決めればよいというような単純な発想によるものではない。
 したがって、地方自治法の規定より議会の監視機能を強化するような被告の解釈は地方自治法に反するのである。」

 被告=県側の主張するように、知事の退職金を議会が決めるという仕組みが、そんなに立派であるのなら、「日本唯一」のこの制度をしっかりと残すべきなのに、問題が露呈するや否や次の議会(05年六月議会)でさっさと廃止して「特別職退職手当条例」を制定したということ自体が、県側の主張の不合理をなによりも雄弁に物語っている。語るに落ちたというべきである。
[PR]
by sumiyakist | 2006-02-03 09:37 | 知事退職金