2007年 04月 14日 ( 1 )

使い捨てられた枝野幸男

 改憲手続き(国民投票)法案は、一昨日の衆院特別委員会の強行採決を受けて、昨日午後、本会議で採決され、一応衆院は通過した。私は、その夜に憲法をまもる小矢部の会でこの法案の学習会を持つことになっていたので、その資料を整理しながら国会中継をネットで見ていた。

 多くの疑問点を積み残したまま、公聴会でもほとんどの公述人が慎重な審議を望んでいるにもかかわらず、ただただ日程優先で進められているのは言語道断である。しかし、冷静に考えると、この強行によって手続き法案自体の成立可能性は高くなったかも知れないが、その結果民主党が完全に離れたことで、安倍首相の望むような憲法改定は、むしろ可能性が下がったといえるかもしれない。(もちろん、政党の枠組みが現在のまま続くかぎりは、であるが。)

c0068917_10185713.jpg 衆院本会議では、民主党提出の国民投票法案(修正案)の趣旨弁明を行った民主党の枝野幸男氏が(安倍首相が自席を立とうとしたのだろうか、それを制するように)「総理聞いてください」と何度か繰り返して呼びかけた後に、安倍首相をほとんど罵倒するような調子で批判した。いわく、「立憲主義ということを理解していない」「憲法とは何かを知らない」「歴史や伝統をいうにしては歴史を知らない」などなど。議場はヤジ(もちろん自民党席の)で騒然としていた。安倍氏が自席でなにやらヤジリ返している写真(時事通信)をネットで拾った。

 冷戦構造の崩壊以後、「改憲と護憲という神学論争」から解放されて、真の意味で自立して自力で憲法を作る状況になった、という枝野の理想主義的改憲志向を、自民党・公明党が利用する形で憲法調査会、調査特別委員会の運営に民主党を引き込んできたのであるが、この期に及んで枝野を使い捨てしたということだろう。

 その悔しさがあってか、秀才・枝野が愚才の安倍を小バカにしている気分が感じられた。(思い出せば、かつて法案提出の趣旨説明の本会議でも、当の枝野氏が演壇に立ち、自民党の前席にいる小泉チルドレンたちに向かって立憲主義の意義を説き、猛烈なヤジを浴びていた。)

 安倍首相は、参院でも特別委を作らせて連日7時間の審議をして、ともかく審議時間を消化して、連休前に成立をさせようとしてくるだろう。他に能のない安倍晋三氏としては、イチかバチかの賭けに出てくるわけだ。米軍再編特措法(昨日、やはり衆院本会議で可決)とともにブッシュへの手土産にしようということだろう。

 われわれとしては、参院で廃案に追い込むために何をすべきか、時間が短いので「短期決戦」の効果的な方法を考える必要がある。

<追記>
昨日の夕刻、4時頃だったか、我が家と山続きで、同じく石川県境の集落に住む友人を久しぶりに訪ねて話をしていたら、折からの強風の中を突然ヘリコプターの大きな爆音が聞こえてきた。何かと思って窓から空を見上げると、双発の大型ヘリが2機、北へ飛んでゆくのが見えた。震災関連で輪島の方で何かあったのだろうかなどと友人と話をしていたが、報道によれば、昨夕安倍首相が輪島を訪問したとのこと。あれが首相一行を乗せたヘリコプターだったのかと納得。
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by sumiyakist | 2007-04-14 09:54 | 憲法・教育基本法