2007年 01月 01日 ( 1 )

どこまで落ちてゆくのか

 小泉純一郎氏自身、スタート時は半年も保つかどうか半信半疑であったであろう政権が、マスコミの全面的な援護を得て高支持率のまま5年余りも続いた。その遺産が半分、あと半分は金正日将軍様の「おかげ」によって、安倍晋三や中川昭一という極右政治家といったほうがいいような人物が政治の中心軸に位置するという、コイズミ以前には想像もできなかった政界地図になった。
 経済分野では、アメリカから突きつけられた「年次改革要望書」を小泉(竹中)改革という名で実行することによって、ほとんどアメリカの51番目の州といっていいくらい、アメリカの経済システム=グローバリズムと地続きになりつつある。その結果、日本社会は国際金融資本の草刈り場の様相を呈している。ハゲタカファンドやら機関投資家やらグローバル企業やら、それを利用しそれに利用される国内の有象無象やら、まさに百鬼夜行であり、「国富消尽」(書名=吉川・関岡著)まっ最中である。
 こうして、文化的には右翼国粋主義の復活、政治・経済両面ではアメリカの属国化という、奇怪なアマルガム国家が成立しつつあるように見える。
 昨年の流行(重要)語としては、私なら「ワーキングプア」をあげる。労働分野での派遣労働・請負労働など非正規雇用の拡大と、その一方での裁量労働制、過労死に至るまでの労働強化が広がっている。追い打ちをかけるようにホワイトカラー・エグゼンプションの導入が目論まれている。かつての「モーレツ社員」の言葉が牧歌的に響くほどである。こうして、年間3万人を超す自殺者、100万世帯を越える生活保護受給・・・。格差社会の進行は止めどなく続く。
 自社工場での偽装請負の批判を受けたキャノンのトップであり日本経団連の会長でもある御手洗冨士夫氏が「(偽装だという批判は)法律が間違っているからだ」と開き直る。呆れるほかない。
 金融法制、会社法制、労働法制と、剥き出しの凶暴な資本主義システムへの後退(進化?)は、いわゆる社会主義思想の衰退(一国社会主義国家群の消滅)によることはまちがいない。なんだかんだ言っても「労働者の祖国」としての社会主義体制の存在が資本主義国における労働者・市民の権利を下支えしていたことが証明されたと思うのであるが、そういう指摘は、論壇では禁句ででもあるかのように決してお目にかかることはない。死んだ子の歳を数えても仕方ないということか。
 ひろく近代の人権思想一般についても、現実的な力としてはルソーからマルクスに代表されるような社会思想を根底にしていた部分が大きいから、その根っこの部分が失われてしまえば、資本主義の悪に対抗する思想の物理力が失われ抽象的なものとなる。労働者は「生かさぬよう殺さぬよう」の世界へ突入したのか?
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by sumiyakist | 2007-01-01 22:09 | 憲法・教育基本法