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勝ってびっくり!

 昨日(6/18)富山地裁で市民オンブズ富山のメンバーが富山県を相手に提訴していた裁判でオンブズ側勝訴の判決が出た。私も原告の一人ではあるが、正直言ってまさか勝訴するとは思っていなかった。

 事件は、石井隆一知事らが富山と上海との定期航空路線の開設を記念して上海を訪問した際の知事(県議会議長も)の宿泊代金が1泊5万円という高額なものであったことから、住民監査請求を経て提訴に至ったものである。
 事業は殆ど県の費用で、事務も県職員が行っているのだが、形式上「上海便を育て発展させる会」なる一時的な民間団体に委託したことになっていて、そこがまた県内の旅行会社に丸投げしている。
 2000万円近い金額の事業が県→育てる会→旅行社と、随意契約で委託されていることをわれわれのメンバーのひとりが不審に思って調査を始めたのがそもそもの端緒であった。その旅行社の社長も「友好訪問団」の一員として同行していることや、航空運賃が見積もり時より大幅に下がったにもかかわらず宿泊費などをアップさせて総額を減らさないように細工をしている疑いがあるなど、不正経理もあり得ると思ってオンブズ側は裁判に臨んでいたのである。

 私自身は原告に名を連ねてはいたが、当初はまだ前知事退職金返還裁判も継続中であったから、あまり熱心なメンバーではなかった。青島弁護士や発端をみつけた会員の松永氏などは、この春には上海まで出かけて、知事らが泊まった西郊賓館なる最高級ホテルの、当の最上級の部屋に泊まってみるという実地検証までする熱心さであった。

 はたしてその熱心さを裁判所が認めたのかどうか、われわれとしても(被告の県側はもっとびっくり仰天だろう)驚きの勝訴判決となった。以下に共同通信のウェブの記事をコピーしておく。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜共同通信ウェブサイトより〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎知事らの宿泊費「高額」 富山地裁が56万円返還命令
 石井隆一富山県知事らが二〇〇五年に中国を訪問した際に公費から支出した宿泊費が高 額だとして、市民オンブズマン富山が知事に宿泊費の一部に当たる百万円を県に返還する よう求めた訴訟の判決が十八日、富山地裁であった。佐藤真弘裁判長は、宿泊費が一人に つき一泊二万円を超える分については返還すべき対象と認め、知事や県職員ら十人分の宿 泊費計五十六万円の返還を命じた。知事側は控訴することを表明した。

 判決理由で佐藤裁判長は「県が業務委託した訪中団の事務局は県庁に置かれ、実務は県 職員が担当していた」と指摘し、知事は宿泊費が県条例の上限を超えないよう是正する義 務があったのに必要な措置を怠ったとした。

 訴状などによると、石井知事と職員ら計二十七人は○五年十一月、富山—上海便の就航 記念事業として訪中し、上海などを視察した。

 この際、当初の県の試算とは違い、現地の一泊分の宿泊費として知事と議長が五万円、 県職員一人につき三万円が公費から支出された。

 判決後に会見したオンブズ側代理人は「県には、住民の大切な税金を扱っているという 自覚を持って予算運用に当たってほしい」と述べた。

 石井知事は判決について、宿泊先は中国側の推薦で決まった点を強調した上で「ぜいた くなことをした覚えは全くない。やましいこともなく、きちんとした対応をしていく」と 述べた。

 富山県は、訪問団派遣事業は経済界も参画する「上海便を育て発展させる会」に委託し たことなどを挙げ、「中国の国情を考慮すれば、県が自由に宿泊先を決められない」と判 決に強く反発。その上で、「旅費が条例を形式的に上回ったことを違法と判断するのは、 事業全体の趣旨や特殊性、困難性を全く考慮していない」と反論した。

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  ついでに朝日の記事(富山版)を載せておく。ここには原告として「市民オンブズ富山」の文字がない。オンブズが嫌いなのか、朝日は?(笑)



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by sumiyakist | 2008-06-19 16:41 | 地方自治

山で暮らしながら下界に関わる日々


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