イラク派兵違憲判決

 名古屋高裁でのイラク自衛隊派兵差止訴訟で憲法9条1項に違反するという画期的な判決が出されたことで、マスメディアからネットまでこの話題が溢れている。

 この訴訟については、私は「名ばかり原告」であったが、高岡市に住む年長の仲間の一人は殆ど毎回名古屋まで傍聴に出かけていた。青山邦夫裁判長(高岡市の出身)はじめ3人の裁判官たちが、真剣に原告側の訴えや証人の陳述を聞いてくれているのでいい感触を得ていたという。

 結審後に送られて来た原告団のニュースでも、これまでの控訴審での審理から考えて、いい判決が出そうだとの見通しが報じられていたから、おおかたの原告関係者は期待を持って判決を待っていたはずだ。

 弁護団は、青山判事が定年退職(新聞によっては依願退職というのもあり、どちらが本当か不明だが)するのはあらかじめ分かっていたから、結審の提案に応じた。つまり、青山判事に判決を書いてもらいたいという意思表示をしたわけだ。

 青山判事はそれに対して真摯に応えてくれたということだろう。しかも、形式的には国側の勝訴なので国は上告できない。控訴人(原告)側は実を取ったから当然上告しない。従って判決が確定する。青山邦夫裁判長は(たぶん)そこまで考えて判決を書いている。この手法は、小泉靖国参拝違憲訴訟での福岡高裁判決でも採られていた。

 それにしても、われわれからすれば、素直に考えるとごく当然と思える判決を書くのに、定年前か、辞職覚悟か(少なくとも昇進の遅れを覚悟するか)でなければ、政府や最高裁事務総局などの圧力をはね返せないというのは、日本の司法の腐敗の一証左ともいうべきである。

 法廷にいた人たちにとっては、実際に判決を聞くと予想以上というか、感激もひとしおであったらしい。(青山判事はすでに退職しているために代読した裁判官は、あまり気乗りしなようなぼそぼそとした朗読だったらしいが)。

 とまれ、↓「良質の裁判官と腕前のいい代理人=弁護士のめぐり合わせ」の裁判の一例。
http://sumiyakist.exblog.jp/5605269/

 かつて長沼ナイキ訴訟で自衛隊違憲判決を出した福島重雄判事も富山県出身。歴史に残る名判決を出した裁判官が二人も富山県出身というのも不思議な巡り合わせである。
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by sumiyakist | 2008-04-18 20:50 | 憲法・教育基本法


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