きのこ=コケ

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 秋のささやかな楽しみのひとつがキノコ採り。当地ではコケという。昔流の農作業から山の暮らし全般まで、いろんなことを教わった、今はなき隣村の婆さんに連れられて山を歩き回って以来、秋のシーズンには必ずキノコ採りを欠かさない。
 今年は高温が続いたせいか、なんどか山へ入ってみるが空振り。例年より10日ほども遅く、3度目か4度目になってやっと写真の程度の初収穫。
 その昔、婆さんに「変なものには手を出すな」と教わったとおり、地元でカッパと呼ぶ「サクラシメジ」と、同じくイッポンシメジと呼ぶ「ホンシメジ」や「ウラベニホテイシメジ」だけを採る。写真の中央にあるのがイッポンシメジである。
 ただ、図鑑などでイッポンシメジというのは毒キノコである「クサウラベニタケ」の別名であるから、ややこしい。この毒キノコである「クサウラベニタケ」のことを婆さんはササシメジと呼んでしっかり区別するように注意してくれた。間違って食べて食中毒を起こすことがあるとのことである。確かに色や形はとても似ているが、傘と柄のバランスや柄の太さなどで、慣れるとはっきりと違いが分かる。
 カッパに比べるとイッポンシメジは少し遅れて出るから、これからもう少し採取できる時期があるはずだ。
 キノコ採りの面白さは、山菜と違ってその所在も時期も不確かかつ微妙なことだろう。おおよその区域はあるにしてもいつも出る場所が決まっているわけではない。気温や雨などの条件によって発生時期が微妙に異なるし、一日ないし数日で消えてしまう。
 おまけに、薪炭林として伐採されることが少なくなり、森が老化しているせいか、昔に比べるとキノコの発生自体が少なくなっているようだ。村の古老は、列をなしてカッパが発生していた様子(「シロをかく」という)や、背負いきれないほどコケを採った話をするが、いまは、半日山の中を歩いてもカゴに一杯採れればよしという状況だ。
 枝をかき分け蜘蛛の巣を払いながら斜面に目をこらしつつを歩いていて、やっと発見するや嬉しさに思わず声をあげてしまうのである。
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by sumiyakist | 2007-10-27 09:28 | 自然と暮らし


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