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不二越女子挺身隊訴訟

 朝鮮女子勤労挺身隊という言葉をご存じだろうか? 第二次大戦末期に国内の労働力不足を補うために、植民地だった朝鮮半島から小学校を終えたばかりの少女たちを、「上の学校に行ける」「お茶やお花を習わせて貰える」「ごはんが腹一杯食べられる」などと、騙すようにして「内地」へ連れてきたのである。富山市にいまもある不二越という軍需工場にも1800人を越えるの朝鮮の少女たちが連れて来られたという。少女たちは寄宿舎に閉じこめられ工場では成人男性の職人の替わりに旋盤などの機械を使って作業させられた。
 敗戦前後、彼女らは郷里へ送り返され、補償どころか給与さえ支払われなかった。「挺身隊」という言葉から軍隊慰安婦と同一視される誤解もあって、過去を明かすことさえ出来ずに来た人も多い。
 その何人かが不二越を相手取って謝罪と補償を求めて提訴しているのが、「不二越強制連行・強制労働訴訟」である。委細は不二越訴訟を支援する北陸連絡会HPにある。

不二越女子挺身隊訴訟_c0068917_21172148.jpg 少し前のことになるが、その第2次訴訟が10月5日に結審(控訴審・名古屋高裁金沢支部)した翌日、韓国から来た5人の原告が不二越の社長との面会を求めて富山市の本社工場へ出向いた。
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不二越女子挺身隊訴訟_c0068917_2115347.jpg 不二越は本社入り口を封鎖し、鉄のフェンスを張り巡らせて厳重なバリケードで原告団と支援者の隊列を迎えたが、隊列はあっという間にバリケードを突破、屈強な10人ほどの警備の社員を押し返して正門前で集会を開いた。
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 原告のハルモニたちは次々とマイクを取って、いたいけな少女を不二越はどのように酷使し、賃金も払わずに送り返したかなどを語り、給与の支払いと謝罪・補償を求めて社長・会長の井村健輔氏との面会を要求した。支援者は県内だけでなく、福井、大阪や名古屋などからも参加者がある。(名古屋ではやはり三菱重工を相手にした訴訟があった。)マイクで訴えているのは原告の一人、ユ チャンイさん。
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不二越女子挺身隊訴訟_c0068917_21323577.jpg  不二越側は面会要求に応じず、警察を呼んだ。しかし、原告と支援者はお構いなしに正門前を占拠し、終日座り込んだ。
by sumiyakist | 2009-10-12 21:40 | 裁判批判

山で暮らしながら下界に関わる日々


by sumiyakist
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